東北大vs宮城教育大
東北大が12得点コールド勝ち!強打の捕手&米国帰りの右腕が勝利呼び込む
勝ち越し2ランを放ち、本塁に生還する東北大・大澤亮
<仙台六大学春季リーグ:東北大12-4宮城教育大>◇6日◇第5節1回戦◇東北福祉大
東北大は12安打12得点と打線がつながり、今春2勝目を挙げた。今春は開幕から8試合で計44得点と打撃好調。この日も上位打線から下位打線まで抜け目ない攻撃を展開した。
東北大は2回、8番・原口 和弥内野手(3年=県立浦和)の適時三塁打などで2点を先制する。その後は両チーム点の取り合いとなり、4回を終えた時点で3対3と緊迫した状況が続いた。
5回、1死一塁の場面で5番・大澤 亮捕手(4年=秩父)が勝ち越し2ランを放つ。甘く入った直球を引っ張って右翼席へ運ぶと、雄叫びを上げながら本塁に生還した。「うしろにつなぐ意識だったけど、結果的に最高の形になってよかった」。納得の一発は決勝点となり、6回以降の大量得点を呼び込んだ。
大澤は2年春から正捕手の座をつかみ、強打の捕手として活躍してきた。本塁打は3季連続となったが、昨秋は打率1割台、今春も打率.125と打率が伸び悩んでいるだけに、「(3季連続本塁打は)たまたま。打撃でチームに貢献できなくて申し訳ない気持ちが強い」と口にする。「その中でもずっと試合に出させてもらっているので、監督に恩返しがしたい」と打棒復活を誓った。
守備面では昨年の二枚看板が抜け、投手の数が少ない中、懸命なリードを続けてきた。試合中も、それ以外の時間も積極的にコミュニケーションを図ることで、この日登板した野瀬 陸真投手(3年=春日部)、西山 稜大投手(3年=ダブリンコフマンハイスクール)をはじめ、公式戦経験の浅い投手陣の良さを引き出している。
2番手で登板した西山は自己最長の4回を投げ1安打1失点と好投した。試合の途中で2段モーションから1段モーションに変えたことで制球力が安定したほか、チェンジアップを中心とした変化球でカウントを取れたことも結果につながった。リーグ戦デビューを果たした今春は8試合中6試合に登板。球速はようやく130キロに乗った程度だが、直球、変化球ともに球の質が昨年と比べて格段と向上している。
宮城出身で、中学2年の頃、父の転勤に伴い米国・オハイオ州に引っ越した。米国でも野球を続け、日本に戻り東北大に進学した当初は軟式野球サークルに所属。硬式野球部には大学2年の春に入部した。地元の後輩で当時高校3年生だった佐藤 昴投手(2年=仙台一)から誘われ、「東北大に合格したら一緒に野球をやろう」と約束したところ、佐藤が合格、進学したため約束通り入部を決めたという。
入部後しばらくはケガに悩まされたものの、昨秋の新人戦で公式戦デビューし、今春は信頼される投手へと成長した。「秋に向けてのモチベーションもどんどん上がってきている。もっと成長したい」。1年遅れでスタートした西山の大学野球が、軌道に乗ってきた。
(取材=川浪康太郎)