ゴールデンウィークの大型連戦が終わり、プロ野球も一段落した。各球団は30試合前後を消化したが、昨年のドラフト会議で指名されたルーキーたちはどのような結果を残しているのだろうか。今回はドラフト1位指名の12人を中心に振り返ってみたい(※5月7日終了時点)。
セ・リーグのドラフト1位選手6人のなかでは、伊原 陵人(阪神/智弁学園)と金丸 夢斗(中日/神港橘)が一軍デビューを果たした。伊原は中継ぎとして開幕を迎えたが、4月中旬から先発に転向。初先発となった4月20日の広島戦では5回無失点の好投でプロ初勝利をマークし、以降も先発ローテーションを守っている。
金丸は大学時代からの故障もあり、やや出遅れたが、5月5日のDeNA戦で一軍デビュー。味方の援護がなく敗戦投手となったものの、6回2失点、8奪三振と結果を出した。翌日に登録を抹消されたことからも分かるように、すぐに中6日でローテーション入りすることはないが、一軍での登板機会は近いだろう。
佐々木 泰(広島/県岐阜商)、中村 優斗(ヤクルト/諫早農)、竹田 祐(DeNA/履正社)、石塚 裕惺(巨人/花咲徳栄)の4人は一軍出場がない。その中で二軍で好成績を残しているのが中村だ。ここまで5試合(3先発)で18回を投げ、防御率2.00。三振18個に対し、四球はわずか1個。150キロ超のストレートも披露している。一軍の台所事情が苦しいことを考えると、早期のデビューもあり得るだろう。また石塚は3月に左有鉤骨骨折と診断され、手術を受けた。すでにロングティーなどの練習は再開しているが、試合出場には至っていない。
パ・リーグでは宗山 塁(楽天/広陵)と麦谷 祐介(オリックス/大崎中央)が主力として台頭している。宗山は打率.271、32安打といずれもチームトップ。遊撃の守備でも再三好プレーを見せている。一方の麦谷は他の選手との併用もあり、規定打席には届いていないが、打率.325を記録。守備・走塁に比べて懸念されていた打撃でもしっかり結果を残している。
西川 史礁(ロッテ/龍谷大平安)は開幕から5試合連続安打と好スタートを切ったが、その後は打撃不振に陥り登録を抹消された。しかし、二軍では打率4割を超える活躍を見せ、再び一軍に呼び戻された。プロの壁を破り、一軍でも結果を残すことが期待される。
柴田 獅子(日本ハム/福岡大大濠)、村上 泰斗(ソフトバンク/神戸弘陵)、齋藤 大翔(西武/金沢)は、いずれも一軍出場はない。
ドラフト2位以下の選手に目を向けると、投手では荘司 宏太(ヤクルト/駿台甲府)がチェンジアップを武器に11試合連続無失点と好スタートを切った。5月8日に登録を抹消されたが、勝ちパターンとして機能していた。
野手では渡部 聖弥(西武)が一時的な離脱はあったものの、打率.360と打ちまくっている。クリーンナップを任されており、得点圏打率.409を記録。昨シーズン最下位だったチームを上位争いへと押し上げる原動力となっている。
プロ野球のシーズンは長く、ルーキーたちにとっては初めて体験する世界だ。この先も走り抜けることができるのか。彼らの躍動から目が離せない。