<春季三重県大会:津田学園5-1三重>◇7日◇決勝◇津市営球場
昨秋は、県大会1回戦で海星に競り負けた三重。この春は、予選から確実に勝ち上がってきて、県大会では昴学園、久居農林、準決勝では海星に対して昨秋の雪辱を果たしての決勝進出となった。
昨春も優勝の津田学園は、伊勢工、皇學館、難敵・津商を下し、準決勝では昨年の夏の代表校でもある菰野に勝利しての決勝となった。
このところ、三重県も上位校が安定した成績を残してきているという印象がある。この春もベスト4の顔触れは3校が昨秋のベスト4でもある。昨夏も同様。決勝に残った鈴鹿以外の3校は、菰野と三重、津田学園で、この春もベスト4に進出している。そういう意味では、春季大会は夏へ向けてシードを決めていく大会であるとともに、各有力校がどこまで仕上げてきているのかということを見る尺度になり、夏の前哨戦としての意味もより高まってくる。
そんな中での戦いとなった決勝だが、津田学園が序盤に得点を重ねる形で、先行逃げ切りの戦いぶりだった。この日は、スタンドにはNPB数球団のスカウトが顔をそろえていたが、お目当ては津田学園の左腕・桑山 晄太朗投手(3年)である。球場のスピード表示では最速148キロをマークしていたが、その数字以上に、佐川 竜朗監督は球の質にこだわっていた。というのも、昨年秋はケガで練習を外れていた時期もあり、今季に入っても他の部員よりも約1カ月半遅れたという形での練習参加となった。
それだけに、本人の中には、多少、焦る気持ちもあったかもしれないが、佐川監督はそれを抑えながら、「夏が勝負なのだから、じっくり作っていけばいい」と伝えていたという。しっかりと指に引っかかった、いい質の球を投げていくように心がけて欲しいという思いがあり、「伸びしろとしては、まだまだ十分にあると思います」と期待も高い。
この日も、1~4回までは安打をされつつも、大事なところはしっかりと抑えて0に封じていた。佐川監督としては、「6回まで投げて次の投手に繋いでいこうか」とも考えていたが、球数もそれほど投げておらず、本人に確認したところ「行かせてください」と言われ、その気持ちを尊重しての続投となった。
8回に強風もあっての失策絡みで、1点を失ったものの、最後の9回も三者凡退で抑えるなど安定した投球だった。結果的には完投して、5安打1失点だが自責点0、10奪三振という内容だった。
三重の沖田展男監督はこの日はあえてエースナンバーの古川 稟久投手(2年)を5番左翼手で起用し、打撃に専念させて、古川投手を投げさせないでどんな戦いができるのかということを試していた。
結果としては先発左腕の皿井 湊士投手(2年)が1イニングで2失点。すぐに背番号10の有原 悠人投手(3年)に繋いだが、失策もあって3イニングで5安打4失点。それでも、大事なところで中軸に併殺打を打たせて抑えてもいた。
収穫としては、6回から4イニング投げた三好 隆仁投手(2年)であろうか。驚くほどのスピードがあるわけではないけれども、ストライクを先行させていく丁寧な投球だった。打たせて取っていくタイプなのだろうが、三振も4つ奪っていた。津田学園に対して、1安打無失点は今後への自信にもなっていったのではないだろうか。
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