<第77回春季関東地区高等学校野球大会:健大高崎2-0東海大菅生>◇18日◇2回戦◇ひたちなか市民球場

 トミー・ジョン手術から復活を目指す健大高崎佐藤 龍月(3年)が決勝打を放った。東海大菅生の好左腕・上原 慎之介投手(3年)に苦しめられ、打線は5回まで無得点に終わったが、6回裏、二死一、二塁のチャンスで打席が回った佐藤は高めの直球を打ち返し、右中間を破る適時二塁打で2点を先制。これが決勝点となった。

 選抜では代打で4打数0安打。明らかにタイミングが合っていない打席もあったが、春の大会から外野を守れる許可が医師から降りて、決勝の桐生第一戦では代打から登場して、2打数1安打。外野を守れて、2打席以上、立てるのは佐藤にとっては試合勘を取り戻す絶好の機会だ。

「やっぱりスタメンに出て、3打席も立てると、代打よりはタイミングを合わせるのは楽です」と語るように、捉える打球も鋭く、ここぞというところで一打が打てる勝負強さが光った。

 そして投球の精度も上がっており、最速142キロをマークし、6月中旬の実戦復帰へ向けて順調に調整を続けている。現在は外野ノックにも入っているため、肘の状態を見ながら、週に一、二度ブルペンに入り、変化球の割合を少なめにしながら、直球中心の練習を行っている。この夏は投打ともに見逃せない存在になりそうだ。