<第77回春季関東地区高等学校野球大会:習志野3-2佐野日大>◇18日◇2回戦◇ひたちなか市民球場

  6年ぶり出場の習志野が粘り強い戦いで、初戦突破を決めた。

 習志野は1回裏、岡田 諒介内野手(3年)が右中間を破る二塁打で1点を先制。5回裏には9番井上重児郎内野手(2年)の適時打で1点を追加した。エースの向井 脩人投手(3年)は右スリークォーターから常時130キロ後半〜142キロの速球、120キロ後半のカットボールのコンビネーションで、栃木大会で圧倒的な強打を発揮した佐野日大打線を翻弄。

 8回裏には3番岡田がこの日、2本目となる適時二塁打で3対0とリードを広げる。

 完封を狙った向井は9回表、櫻井剛志内野手(3年)に本塁打を浴び、さらに二死一、二塁から適時打を打たれ、1点差に迫られる苦しい試合展開。それでも粘り強く抑えて、被安打8、126球、2失点完投勝利を上げた。

 小林徹監督は「5回までうまく先制しましたが、後半は絶対にピンチは3回訪れるよと選手に話をしていたら、実際にピンチが訪れましたね」と語り、エースの向井は9回、常時135キロ前後まで落ち込んでいたが、それでも代える考えはなかった。

 「信頼されるエースになるには、これを乗り越えることが必要かなと思いました。彼の経験値から考えれば、よく投げたと思います」

 完投勝利のエースを称えた。春の県大会から小林監督は「経験値を上げるために試合をしたい」と語っていたが、そのスタンスは関東大会でも変わらない。県大会から少しずつ粘り強さが増している習志野ナインに注目だ。