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豊川の主砲・モイセエフは通算打率6割超! 強力打線でビッグイニング作れるか<明治神宮大会出場校紹介>

2023.11.10


東海地区大会を初めて制して、10年ぶり2回目となるであろうセンバツ出場に大きく近づいた豊川。東海地区大会は初優勝で、明治神宮大会も初出場となる。この秋は、強力打線を看板として、集中打が飛び出すという形でビッグイニングを作って一気にリードするという展開も多かった。4年ぶりの東海大会でも勢いに乗っての初優勝を果たして、明治神宮大会への初出場を決めた。

県大会準々決勝で、昨秋の覇者・東邦を下して勢いに乗る
<県大会の戦績>
2回戦 12-2 名古屋
3回戦 9−1 西尾東
準々決勝 3-1 東邦
準決勝 12−8 小牧南
決勝 1−7 愛工大名電
<東海大会の戦績>
1回戦 7-0 神村学園伊賀(三重)
準々決勝 13-3  岐阜第一(岐阜)
準決勝 6−5 宇治山田(三重)
決勝 8−7 愛工大名電(名古屋)
「泥臭く1点を取り、泥臭く1点を守り切る」ということをテーマとして掲げた新チーム。1年生も多くベンチ入りするという形でスタートしたが、東三河地区予選で二次トーナメント決勝で豊橋中央に競り勝ったことで自信を持った。
シード校として出場した県大会では、2回戦で名古屋にコールド勝ち。3回戦でも難敵の西尾東に快勝。最初の大きなヤマとなった準々決勝では、昨年の優勝校東邦を序盤に得点を重ねて下したことで、大きな自信となった。長谷川 裕記監督も、「なかなか勝てなかった東邦にやっと勝つことが出来た。これで勢いに乗っていきたい」と語っていた。その言葉通りに準決勝では、この秋勢いに乗っていた小牧南に粘られて乱戦気味になったが、何とか振り切った。決勝では夏の王者の愛工大名電に屈して、2位校としての東海大会出場となった。
ただ、そこから東海大会では強さを発揮して、初戦の神村学園伊賀には攻守の歯車がしっかり嚙み合って7対0と快勝。2回戦でも岐阜県1位校の岐阜第一に対して、相手ミスもあったが5回に大量8点を奪い13対3と5回コールド勝ち。
準決勝では三重県1位の宇治山田商に終始リードされていたが、9回に逆転サヨナラ勝ちした。そして同県対決となった決勝では、初回に一気に6点を奪うなどして、終盤になって追い上げる愛工大名電を8対7と1点差で、何とか振り切って県大会のリベンジを果たして東海大会初優勝を果たした。

モイセエフを中心とした打線は、一気に爆発する破壊力が魅力
県大会~東海大会を通じて打力が光った豊川だったが、その軸は両親がロシア人だが日本生まれというモイセエフ・ニキータだ。初回から打席が来るようにと3番に座っているが、長谷川監督も「このチームは、ニキータの前にどれだけ走者を溜められるのかというところが勝負になる」と語っている。実際、走者を置いての勝負強さは特筆ものだ。引っ張った長打だけではなく、流れに逆らわずしなやかに中前や左前へ運んでいくテクニックも持っている。東海大会では神村学園伊賀戦で3ランを放っているが、2回戦以降では、ここぞという好機でしっかりタイムリー打を放っている。秋の通算打率は6割を超えている。
モイセエフが警戒されることになるので、その後を担う打者の存在も大事になる。それが、中村 丈と北田 真心だが、モイセエフが歩かされても、このどちらが打ってかえすというケースも多かった。そして、これが引き金になって大量点を奪うというのがこの秋の勝利のパターンとなっていた。

ミラクル左腕の鈴木爽太が軸の投手陣を、抜群の内野陣が支える
投手は大会では背番号10をつけていた鈴木 爽太がエース格として投げ続けたが、まさにミラクル左腕といっていい投手だった。というのも、驚くほどの球威があるわけではないが不思議と打たれない。走者を出しても何とか交わしていくという投球だったが、東海大会初戦では7回4安打完封も記録している。他には、1番を背負っていた中西 浩平と東海大会決勝で、最後には一打逆転まで追い詰められた苦しい場面で登場し、何とか愛工大名電打線を交わした平野 将馬の両1年生投手も、今後の伸びしろも含めて期待は高い。
そして、そんな投手陣をしっかりと支えるのが固い守備陣だ。特に、主将でもある鈴木 貫太遊撃手の守りは、打球への素早い反応と広い守備範囲、捕ってからの送球の速さと確実さは、社会人野球レベルという評価もある。この秋も、この好守で何とか味方のピンチを救ってきている。彼を中心とした内野陣の動きも、豊川の魅力の一つとなっている。
今大会の出場校の分析、神宮大会の日程もチェック↓↓
【11月15日開幕】明治神宮大会出場10校 戦力完全分析!「秋の高校野球日本一」はどこだ!?

この記事の執筆者: 田中 裕毅

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