【仙台六大学】2回戦 東北福祉大 vs 東北学院大

東北福祉大、無傷の8連勝で仙台大との大一番へ　好打者・石井寛人が初回に走者一掃先制打

＜仙台六大学野球秋季リーグ：東北福祉大8－1東北学院大（7回コールド）＞◇1日◇第6節2回戦◇東北福祉大

東北福祉大が7回コールド勝ちを収め、東北学院大から連勝で勝ち点を奪った。これで開幕から無傷の8連勝。万全の状態でリーグ優勝をかけた仙台大との大一番に臨む。

東北福祉大は初回から3四球で2死満塁の好機をつくると、6番・石井 寛人内野手（3年＝明秀日立）が走者一掃の3点適時三塁打を放ち先制する。その後も4番・島袋 皓平内野手（3年＝沖縄尚学）に今秋2号の2点本塁打が飛び出すなど、着実に加点した。投げては佐々木 繕貴投手（4年＝古川学園）、野口 聡大投手（4年＝和歌山東）、浅野 駿吾投手（4年＝遠軽）の4年生リレーで1失点に抑え、快勝した。

打線に火をつけた石井は前日、東北学院大・古谷 龍之介投手（4年＝北星大附）の内外角の投げ分けに苦戦し4打数無安打。悔しかったが気持ちを切り替え、いきなり満塁で回ってきた初回は「先制点が大事。1点でも取れたら」との考えで打席に入った。2ボール2ストライクと追い込まれるも、6球目の内角寄り直球を捉え先制打に。ミート力の高いリーグ屈指の好打者が、たった1日で打撃を修正してみせた。

最終節を残した時点で打率.455（22打数10安打）、10打点はともにチームトップの数字。個人タイトルも狙える位置にいるが、本人は「タイトルは獲れたらうれしいですけど、優勝することが第一。優勝に向けて、まずは仙台大戦の初戦を取りにいく」と言い切った。大一番でも、石井のバットが勝負の鍵を握ることとなりそうだ。

東北学院大は今秋の全日程を終了し、5勝7敗、勝ち点2で、2019年春以来、8季ぶり（新型コロナの影響で中止となった2020年春を除く）、史上3度目のＢクラス（4位以下）が確定した。

東北学院大の4年生にとってはこの日が引退試合となった。敗れたものの、各選手が最後まで集中力を切らさず、全力で野球を楽しんだ。主将の高橋 寛太捕手（4年＝古川）は「みんなで最後まで諦めずに戦って、4年生の集大成を見せることができた。良い試合でした」と晴れやかな表情。大学卒業を機に、競技からは離れるという。「きついこと、つらいことばかりの4年間だったけど、みんなと一緒に乗り越えて充実した4年間になった。絶対に強くなると信じて、来年も応援に来たいです」。思いは後輩たちに託した。

（取材＝川浪康太郎）