<第77回春季関東地区高等学校野球大会:横浜3-2浦和学院>◇21日◇準々決勝◇ノーブルホームスタジアム水戸

 横浜の152キロ右腕・織田 翔希投手(2年)は浦和学院戦に先発し、7.2回を投げて、2失点の力投だった。初回に150キロを計測し、その後も安定して140キロ台の速球を投げ込むが、織田自身、スピードにはこだわりがない。

 それでも球速があることに越したことはない。1イニングに145キロ以上のストレートは必ず投げ込み、平均球速は144.21キロと、平均球速141キロだった昨秋から3キロは上がっている。村田監督も、「内角へ投げる時にスピードが落ちている。まだ置きにいって打たれているボールがあります」と、球速は一つのバロメータとなっている。

 すべてにおいて全力ではなく、終盤にギアを高めたり、主軸には全力投球するなど打者、状況を見ながら、力の入れ加減ができている。

 8回まで奪三振がなかったことについて織田は「相手は強力打線。打たせて取ることを意識していたので、三振を取る欲はありませんでした」と語るように、浦和学院相手に長いイニングを投げてゲームメイクするにはどうすればいいのか、最善の投球ができていた。カーブ、チェンジアップでイニングを稼ぎながら、内外角の厳しいコースに140キロ前半の速球で打たせて取る投球は以前よりも実戦力が増している。

 とにかく勢いで抑えきった昨秋とは違い、徹底マークされた中で実戦を迎える。県大会では東海大相模相手に序盤で、2回を投げ、被安打3、2失点と苦しい投球もあった。肩の調子が上がらない時期もあったが、県大会後から2週間で、横浜の村田監督は作新学院戦の試合後で「かなり調子が上がっている」と語るように、角度のある速球が蘇っていた。

 関東大会も決勝戦まで勝ち進めば残り2試合。織田は関東大会の頂点に導く投球ができるのか、注目だ。

<織田の各イニングの最速>

1回 150キロ

2回 147キロ

3回 148キロ

4回 149キロ

5回 145キロ

6回 148キロ

7回 147キロ

8回 142キロ

9回 147キロ