都立総合工科vs都立久留米西
金井の満塁弾、総合工科6回コールドの大勝
力投した都立総合工科・平井
終わってみれば16-2の6回コールド。
スコアの上では、都立総合工科の完勝であるが、都立総合工科の有馬信夫監督は、「お先真っ暗」と、手厳しい。対する都立久留米西の益子久監督は、残念さは滲ませながらも、「ワンサイドの試合にはなりましたが、思っていたよりは打てました」と、語った。
この両校、3月8日に練習試合をしている。その時は、エラーの走者が1人出ただけで、エースの平井成幸に完璧に抑えられ、7-0で都立総合工科が圧勝している。
球速がおそらく140キロを超えている都立総合工科の平井を攻略するのは、容易ではない。
1回裏都立久留米西は、三振2の三者凡退。2回表都立総合工科は、二塁打の7番新井俊樹が犠打と暴投で還り、すんなり先制し、完全に都立総合工科ペースと思われた。
しかしその裏、都立久留米西は二塁打の5番福山和真を、7番大塚駿太が還して同点に追いついた。
それでも、3回表都立総合工科はエースで5番の平井の二塁打で1点を勝ち越し、さらに2四死球などで迎えた二死満塁のチャンスで打順8番と下位ながら、パワーのある金井香平がレフトフェンス越えの満塁本塁打を放ち、都立総合工科は、この回5点を入れた。
大量リードを得た都立総合工科・平井であるが、どうもピリッとしない。3回裏は先頭打者の9番梶原正登がライト線に二塁打を放つ。梶原は、冬前に俊足を生かすために、右打ちから左打ちに変えたばかりという。さらに3番二荒捺己の左前適時打で1点を返した。
この日都立総合工科の平井は、6回で被安打6、自責点2。球は走っていたが、やや一本調子なるところがあった。有馬監督が厳しく指摘したのは、打つ方でも3打数無安打に終わった捕手の水口南海だ。
「水口は調子が良かっただけに、今回は残念。リード面でも課題が残る」
監督の厳しさも、期待をしていれば、こそである。
4回表都立総合工科の攻撃では、一死一、二塁から5番平井の左前安打で本塁を突く二塁走者を左翼手・二荒の好返球で刺すなど、意地をみせたが、続いて訪れた二死満塁の場面で、8番金井の右飛を右翼手・榮舜が落球して、満塁の走者が還ってくるなど4点を追加。さらに5回に1点、6回に5点が入り、6回コールドが成立した。
都立久留米西はグラウンドが長方形でライト側が狭く、4月のこの時期、益子監督としても、落球は責められない部分もあるようだ。中学時代は野球をやっていなかった選手もおり、地道にチームを作り上げていくしかない。
都立総合工科は次の都立紅葉川に勝てば、秋に敗れた二松学舎大附(試合レポート)との対戦になるが、まず都立紅葉川であり、その先まで見据える余裕はないようだ。
(文=大島 裕史)