昨季5位のヤクルトは今季も現在最下位。課題の投手力を改善できず、チーム防御率3.46、123失点は12球団ワーストとなっている。そんな中、一軍での活躍が期待されるのがドラフト1位の剛腕・中村 優斗投手(愛知工業大)だ。

 即戦力としての活躍を期待されたが、自主トレからコンディション不良で調整遅れとなり、実戦登板は4月までずれ込んだ。二軍初登板となった4月8日の西武戦で1回無失点の好投、4月22日の日本ハム戦で初先発を務め、4回無失点。5月7日の日本ハム戦では6回1失点、7奪三振、被安打1と順調にステップアップし、一軍デビューも間近だ。

二軍戦では5試合に登板して、18回、18奪三振、防御率2.00、与四球1と抜群の安定感を誇る。持ち味である剛速球は、先発でも常時150キロ中盤の速球を投げ込んでおり、140キロ前半のカットボール、フォークで圧倒している。

 この投球に元阪神の福永春吾氏も「二軍ではやることがありません。ドラフト1位に相応しい完成度が高い投手です」と絶賛する。

「150キロを超える速球はアウトコースへビタビタに決まっていますし、追い込んでから低めで空振りを奪う投球ができています。ここまでの二軍登板を見る限り、真っ直ぐの速さ、強さ、変化球のキレ、コントロールの良さと申し分ない出来です。あとは一軍で課題を見つける段階に来ています」

 ヤクルトは先発投手として球数をどれだけ投げられるかテストしている。前回は82球、次回の二軍登板では100球程度を予定しているという。次回が一軍昇格の最終テストだと語る。

「球数を順序よく増やしていきながら、どれだけ投げられるか見極めているのでしょう。ボールだけならば、すぐに一軍でやれると思いますが、ドラフト1位なので、無理をさせずにデビューへ向けて、計画的にやっているのが分かります。球数をクリアして、しっかりと投げる様子が見られれば、一軍に上がってくれると思います」

 中6日ペースとなれば、次回登板は14日(水)の西武(戸田)戦になるのか。そして一軍デビューは5月下旬か。

 順調に階段を登っているゴールデンルーキーの今後の投球に注目だ。