5月1日、バンテリンドームナゴヤで阪神・佐藤 輝明外野手(仁川学院近畿大)が5打数2安打の活躍を見せた。5回の第3打席では一時同点となる左中間へ特大の一発。チームは惜しくも敗れたが持ち味を発揮した。

 球界随一のパワーを見せつけた。1点差を追いかける5回、プロ初勝利を狙った三浦 瑞樹投手(盛岡大付東北福祉大)が投じた外角低めの真っすぐを逆らわず逆方向へ。打球はぐんぐん伸びて阪神ファンの待つレフトスタンドへと吸い込まれた。

 佐藤はこの日一発で両リーグ最速の10号となった。自身最速となる27試合での達成は、左打者で球団初の快挙。昨年は8月21日に10号に到達していることを考えると、異常なほどのハイペースだ。

 昨季は過去最少の120試合で16本塁打に終わった。悔しいシーズンを経て、今季は15戦で5発と本塁打を量産していた。そのまま勢いは衰えることなく、球団生え抜きでは掛布 雅之以来となる「30本」も視野に入れている。

 今季の佐藤は本塁打王であると同時に三振王でもある。1日現在で36三振を喫し、セ・リーグ2位・矢野 雅哉内野手(育英亜細亜大)の25三振と11個差をつけている。それでも長打率.653と長所を活かした打撃で好調を維持している。

 過去には1993年に近鉄でプレーしたラルフ・ブライアント氏が42本で本塁打を獲得したが、同時に204個の三振を喫し、今でも破られていないNPBシーズン最多三振を記録した。シーズンの最高三振記録トップ3を独占しているが、3度の本塁打王とまさに「本塁打か三振か」といった大型扇風機だった。佐藤もここまで三振数が気にならないほどの本塁打を積み重ねている。”和製ブライアント”とも言える異様な成績を維持しながら、ファンの期待に応える打撃を見せて欲しい。

【一覧】佐藤輝明・各シーズンの本塁打数と三振数

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