中日の松葉 貴大(東洋大姫路‐大阪体育大)がエース級の活躍を見せている。今年は8月に35歳を迎えるシーズンだが、4月だけで4勝を記録。ここまで5試合、4勝1敗、防御率1.34と圧巻の投球を続けている。
松葉は、2012年ドラフト1位でオリックスに入団すると、プロ2年目の2014年に21試合、8勝1敗、防御率2.77を記録。その後は伸び悩み、2019年6月にトレードで中日に移籍となった。中日でも先発として一定の成績を残し、昨年は17試合(93回1/3)を投げて5勝6敗、防御率3.09とまずまずの数字だった。一方、スタミナ面に課題があり、昨年のQS回数は6回と先発陣の中でも序列が低い存在であった。
しかし、今年は4月だけでQSを4度記録しており、35歳を迎えるシーズンながら、白星を含めキャリアハイを更新するペースとなっている。
興味深いことに、ストレートの平均球速は昨年から約2キロ落ち、134キロとなっている。だが、直球に加え、カットボール、スライダー、スプリット、ツーシーム、カーブ、チェンジアップの7つの球種を操り、いずれのボールも投球割合が30%を超えず、バランスよく投げ分けている。特に今年は制球面が安定し、打者に的を絞らせない投球で凡打の山を築いている。技巧派左腕の5月以降の投球にも注目が集まる。
※成績は5月2日終了時点