パ・リーグの首位を走る日本ハムの次代のエース候補、達 孝太(日本ハム/天理)が、6月10日のヤクルト戦で7回無失点の好投を見せ、今シーズン3勝目を挙げた。

 ここまで4試合の登板で3勝0敗、防御率0.34。26回2/3を投げ、26奪三振、与四球はわずか3つと圧倒的な成績を残している。そんな達の年俸は高卒4年目ということもあり1050万円(推定)と格安だ。このように、コストパフォーマンスに優れた投手には誰がいるのだろうか。

 達と同じく日本ハムでは、孫 易磊(台湾出身)も年俸600万円となっている。昨年育成契約で入団した右腕は、今年5月に支配下登録されると、150キロを超えるストレートを武器に、現在はセットアッパーの座を託された。支配下登録から約1ヶ月で1セーブ、4ホールドという申し分ない成績を挙げている。

 昨シーズンの最下位から巻き返しを図る西武では、山田 陽翔近江)が一軍デビューを果たした。すでに平良 海馬八重山商工)やウィンゲンターにつなぐ勝ちパターンの一角に入り、19試合で1勝1敗、8ホールド、防御率0.47と結果を出している。そんな山田の年俸は700万円とコストパフォーマンスも良好だ。

 現在最下位と苦しむロッテでは、先発ローテーションに定着しつつある田中 晴也日本文理)が年俸1100万円と高コスパ。ここまで7試合で3勝3敗と貯金こそないが、防御率2.09と安定した投球を続けている。また、中継ぎとして一軍デビューを果たし、14試合で1勝0敗、1セーブ、5ホールドを記録している木村 優人(霞ケ浦)も600万円と格安だ。チームは低迷しているが、未来の中心選手となり得る存在が台頭してきている。

 高年俸の選手が多いソフトバンクでは、前田 純(中部商)と松本 晴樟南)が、それぞれ750万円と900万円。先発ローテーションを担う2人の左腕が1000万円未満というのは注目に値する。

 セ・リーグでは、現役ドラフトで日本ハムから巨人に移籍した田中 瑛斗が750万円。すでに24試合に登板し、13ホールドを記録しているのは立派な数字だ。ソフトバンクを戦力外となり中日と育成契約を結んだ三浦 瑞樹盛岡大付)は、支配下登録を勝ち取り、5先発で2勝を挙げている。戦力外からの再出発という背景もあり、年俸は500万円と非常にリーズナブルだ。

 年俸が高くない選手とは、すなわちこれまで目立った実績がなかったり、近年思うような成績を残せなかった選手とも言える。まだシーズンは半ばを過ぎていないが、セ・パ交流戦を走り抜け、後半戦に向けて失速せず走り切れるか。その動向に注目したい。

<高コスパ投手の年俸一覧>

達 孝太(日本ハム)3年目 1000万円

孫 易磊(日本ハム)2年目 600万円

田中 晴也(日本ハム)3年目 1100万円

木村 優人(ロッテ)2年目 600万円

山田 陽翔(西武)3年目 700万円

前田 純(ソフトバンク)3年目 750万円

松本 晴(ソフトバンク)3年目 900万円

田中 瑛斗(巨人)8年目 750万円

三浦 瑞樹(中日)4年目 500万円