今年のパ・リーグは、ロッテ・田中 晴也日本文理)、楽天・宗山 塁広陵-明治大)、西武・渡部 聖弥広陵大阪商業大)ら新人王争いが熾烈を極めている。

 候補者が多いため、なかなか取り上げられる機会が少ないが、ロッテの3年目左腕・高野 脩汰出雲商関西大日本通運)も新人王候補に浮上している。高野は日本通運から2022年ドラフト4位でプロ入り。プロ1年目は7試合(11回)、2年目は6試合(14回2/3)にとどまっているため、新人王資格を有している。

 プロ3年目の今年はロングリリーフを中心に11試合、3勝2ホールド、防御率1.90の好成績。中でも、23回2/3を投げて29奪三振、奪三振率11.03と奪三振能力の高さが際立っている。

 高野の投球を見ると、投球割合の90%近くがストレートとフォークの2球種で構成されているが、フォークは魔球と言っても過言ではない内容だ。

 フォークは被打率.128、スイング空振り率57.7%と圧倒的な数字を記録。つまり、2スイングに1回以上空振りを奪い、バットに当たっても、ほとんどヒットを許していない。真上から投げ下ろす投球フォームで、角度が付きやすいため、高野のフォークは落差が大きく、独特な軌道を描く。

 新人王争いは熾烈だが、今後の投球にも期待したい。

※成績は6月30日終了時点