DeNAの井上 絢登内野手(久留米商福岡大徳島インディゴソックス)が3日の中日戦で勝ち越しとなる本塁打を放った。前日のプロ入り後初本塁打から2試合連発となり、スタメン定着へアピールしている。

 独立出身のロマン砲が覚醒の時を迎えている。2日に一軍登録されると「6番・左翼手」で昇格即スタメン入り。満塁のチャンスで巡ってきた1打席目に髙橋 宏斗投手(中京大中京)を捉え、右翼スタンドへ運んだ。プロ入り初アーチが満塁弾という劇的な展開から一夜、3日の第2打席でも勝ち越しとなる本塁打を放った。昇格後2試合で5打数3安打2本塁打で打率.600と起用に応える活躍を見せている。

 井上は大学時代から「福大のギータ」と称されたバワーの持ち味。そんな長距離砲の打撃センスは四国アイランドリーグplus・徳島インディゴソックスで磨かれた。1年目からリーグ記録を塗り替える13本塁打に42打点を記録し、最多本塁打、最多打点の2冠を獲得。2年目にも自身の記録を更新する14本を放ち、打点も39まで積み上げ、2年連続2冠の輝かしい実績を残した。悲願のドラフト指名を掴みとった井上は、自身の打撃の成長に関して過去の取材時でこう話している。

「徳島に入団してからスイング軌道が大事だと言われ、体の使い方を含めて1年間教えてもらいました。強い真っ直ぐに負けないスイング力が身についたと思います。」

 初年度は指名漏れを経験し、同球団からは茶野 篤政外野手(現・オリックス)、モンテル外野手(現・西武)が先にプロ入りを果たした。自身は名前の呼ばれなかった悔しさから、「ドラフトの夜にジムにいって夜12時までトレーニングをしていたのを覚えています」とがむしゃらに練習に励んでいたという。

 それでも、1年目に積み重ねた身体の使い方が2年目のドラフト指名に繋がったとも語っている。

「1年目でずっとやってきたスイング軌道の改善が自分の中で身についました。打席での考え方も良くなり、球をしっかり待つこともできるようになりましたし、相手投手の駆け引きができるようになりました」

 プロ入り後はルーキーイヤーから一軍デビューを果たし、2軍で打率.302を記録。8本塁打、53打点はどちらもチームトップの数字で、二軍の日本一に貢献していた。

 井上の活躍もあり、同一カード3連勝で3位に浮上した。ファン待望の長距離砲が、後半戦巻き返しの鍵を握っている。