ゴールデンウィークの大型連戦が終わった。各球団は30試合前後を消化したことになるが、各球団の新加入選手たちは期待通りの成績を残すことができているのだろうか。ここでドラフト指名選手を除く新加入選手たちの様子を振り返ってみたい。(※数字は5月8日終了時点)

 昨シーズンオフにFAで国内移籍をした選手の中では、九里 亜蓮岡山理大付/広島→オリックス)が無傷の4連勝。防御率1.20と圧倒的な成績を残し、首位を走るチームを牽引している。セ・リーグでは甲斐 拓也楊志館/ソフトバンク→巨人)が打率.300を記録し、打撃面で注目を集めている。茂木 栄五郎桐蔭学園/楽天→ヤクルト)も、村上 宗隆(九州学院)を欠く中で三塁のポジションをほぼ任されている。

 人的補償で移籍した選手では、小森 航大郎宇部工/ヤクルト→楽天)が躍進。内野から外野へコンバートされ、プロ初本塁打を記録するなど、一軍での出番を掴んだ。

 外国人選手では、中日から巨人へと移籍したマルティネスが守護神として君臨。14試合に登板し、防御率0.00と期待通りの活躍を見せている。一方でセデーニョ(オリックス→西武)とヤフーレ(ヤクルト→楽天)は、ここまで思うような結果を残せていない。

 トレードで移籍した選手では、三森 大貴青森山田/ソフトバンク→DeNA)が一塁、三塁、右翼と複数のポジションで起用されながら出場26試合中21試合でスタメン出場。打順も1・2・3・6番と幅広く任され、作戦の幅を広げている。

 戦力外を経て移籍した中では、石川 達也(横浜/DeNA→巨人)が開幕ローテーションに入り、ここまで7試合に登板。1勝2敗と負け越しているが、防御率は1点台とブレイクの兆しを見せている。また、田中 将大(駒大苫小牧/楽天→巨人)は初登板で白星を手にしたものの、以降は打ち込まれており二軍調整中。日米通算200勝まであと2つとなっているだけに、復調に期待がかかる。

 現役ドラフトでは、吉田 賢吾(横浜商大/ソフトバンク→日本ハム)が本職の捕手だけでなく、外野と一塁も含めて、すでにキャリアハイを超える22試合に出場。プロ初本塁打を含む3本塁打を記録しており、一軍に定着した。投手では田中 瑛斗(柳ケ浦/日本ハム)がチーム2位タイの7ホールドをマーク。勝ちパターンの一角として、大事な場面を任されている。

このように多くの新加入選手が、開幕から1ヶ月余りで結果を残している。開幕から1ヶ月、移籍組の存在感は際立つ。戦力として定着できるかどうか、ここからが正念場となる。

<移籍組の成績一覧>

1 2