開幕から1ヶ月が経過し、プロ野球は早くも両リーグで混戦の様相を呈している。そんな中、各チームの中心選手たちはどのような活躍を見せたのか。『高校野球ドットコム』では、3・4月の月間MVPをセ・パ両リーグの投手・野手でそれぞれ独自選出した。

 セ・リーグの投手部門では山崎 伊織(明石商/巨人)、野手部門では岡本 和真(智弁学園/巨人)を選出した。

 山崎はオープン戦5試合で16回2/3を投げ、防御率6.48と不調。最後まで開幕ローテーション入りは不透明だった。しかし、開幕してからは5戦4勝の快進撃。しかも、まだ1点も失っておらず、開幕からの連続無失点記録を35回(継続中)まで伸ばした。5試合の登板のうち4試合で7回以上を投げているのも見逃せない。戸郷 翔征(聖心ウルスラ)とグリフィンが不在の先発ローテーションを支えている。

 一方の岡本は開幕から12試合連続安打、22試合連続出塁を記録。4番としてチームを牽引した。打率.304、7本塁打、23打点、OPS.970と数字も申し分ない。SNSの反応では、佐藤 輝明(仁川学院/阪神)の名前を挙げることも多く、予想が難しい声があった。

 佐藤の3・4月の成績を振り返ると、打率.260ながら9本、24打点、OPS.959を記録し、本塁打と打点では岡本を上回っていた。しかし、佐藤は体調不良による欠場があった。また出場した25試合のうち無安打が10試合と安定性に欠けた。そのため、4月末まで全27試合に出場し、25試合で出塁、21試合で安打を放った岡本を選出した。

 パ・リーグでは、投手部門で隅田 知一郎(波佐見/西武)、野手部門で太田 椋(天理)を選出した。

 隅田は4戦4勝。4試合すべてでHQS(7回以上自責点2以下)を達成し、圧倒的な内容だった。開幕からではないが26回連続無失点と、山﨑と同じく得点を許さない投球でチームを勝利に導いてきた。奪三振と与四球の比率を表すK/BBは10.00。これは規定投球回に到達している投手の中で12球団トップの数字だ。ゾーン内で勝負しつつ、確実に打者を打ち取ってきた。昨年、一昨年に記録したキャリアハイの9勝超えにも期待がかかる。

 太田は12球団で唯一の打率4割超え。打率.411、4本塁打、18打点、OPS1.017と大活躍。開幕3試合目から21試合連続出塁を記録。その期間中、11試合連続・7試合連続で安打を放つなど、チームの開幕ダッシュに大きく貢献した。チーム27試合中、出塁がなかったのは2試合、安打がなかったのはわずか3試合。月内では大きな不調もなく、コンスタントに結果を残した。昨シーズンはキャリアハイの91試合に出場したが、規定打席には届かず。今年は開幕ダッシュを足がかりに、規定打席到達を目指したい。

 開幕から躍動を見せた4人の選手たち。序盤戦の勢いを維持し、今後のシーズンでもチームをけん引する存在となれるか、注目していきたい。

<3・4月成績>

山崎伊織(巨人)

5試合(35回)4勝0敗 防御率0.00

岡本和真(巨人)

27試合 打率.304 7本 23打点 OPS.970

隅田知一郎(西武)

4試合(31回)4勝0敗 防御率0.58

太田椋(オリックス)

2️7試合 打率.411 4本 18打点 OPS1.017