元サイヤング賞投手の熱投に横浜スタジアムが揺れた。3日、DeNAのトレバー・バウアー投手が巨人戦に先発登板。来日初となる完封勝利を挙げた。雨天の影響で中5日での登板となったが、122球を投げ3塁を踏ませない快投で今季2勝目を手にした。

 シーズン序盤のうっぷんを晴らす投球だ。バウアーは日本復帰登板となった3月29日の中日戦から3連敗と本来の力を出せずに苦渋を飲んだ。しかし、中4日で登板した4月27日の広島戦では8回129球10奪三振と圧巻の投球で復帰後初勝利を挙げると、この日も9回まで腕を振り、巨人打線を相手にスコアボードに「0」を並べた。

 ここ2試合は、松尾 汐恩捕手(大阪桐蔭)がスタメンマスクを被り、抜群のコンビネーションを見せている。3日の試合でも150キロを超える直球に縦に割れるカーブ、スライダーを巧みなリードで的を絞らせず、好機を与えなかった。さらには3つの盗塁阻止で右腕を助けるなど、女房役として勝利に大きく貢献した。

 また守備面だけでなく、決勝点となる犠牲フライを含む2安打と打撃でもバウアーの完封勝利をアシスト。27個目のアウトを取ると、2人は歩み寄って抱擁を交わした。

 チームは打線も3日時点でセ・リーグ5位と苦しんでいる。バウアー・松尾バッテリーで本来の力を発揮できれば、上位浮上のきっかけになることは間違いない。