<四国アイランドリーグplus交流戦:巨人(3軍)6-0愛媛マンダリンパイレーツ>◇10日◇坊っちゃんスタジアム

 今年、2019年以来6年ぶりに実現した四国アイランドリーグplus所属4チームと巨人(3軍)との交流戦。6年前まで高知ファイティングドッグスの指揮官だった駒田 徳広監督率いるチームは、5月10日(土)、愛媛県松山市の坊っちゃんスタジアムで愛媛マンダリンパイレーツとの交流戦初戦に臨んだ。

 巨人3軍の先発は高卒2年目の園田 純規投手(福岡工大城東)。「力感なく投げられるようになって、緩急を使った幅広い投球ができるようになっている」と指揮官も成長を認める育成右腕は、社会人野球の名門・日立製作所を6回ノーヒットに封じたJABA選抜新潟大会に続き、愛媛MP戦でも6回77球を投げ4安打無四球6奪三振無失点の好投。4投手の継投による6安打完封勝利に大きく貢献した。

 最速148キロを掲示したストレートと、130キロ中盤のチェンジアップ、カットボールを中心にしたコンビネーションは、「この投球を続けていけば当然上へのチャンスはある」と駒田監督も高く評価するものだった。

 一方、打線は2回表二死満塁から9番・田上 優弥内野手(日大藤沢)が放った技ありの二点適時打を皮切りに8安打6得点を奪った。中でも存在感を放ったのが育成ルーキー・竹下 徠空内野手(明徳義塾)だ。6回表から途中出場した三塁手の守備では「ノックで形から学んできた」成果を示す軽快な動きを見せれば、7回表二死一塁から巡ってきた対外試合初打席では「積極的に打った」と、見事三遊間を破るプロ初安打を記録した。

 この日、逝去した島根県で幼少期からずっと応援してくれていた曾祖父に届ける一打は「チームにいい勇気を与えてくれる雰囲気を持っている。今後が楽しみ」と駒田監督をはじめとする首脳陣にもいいアピールとなったことだろう。

 奇しくもこの日は5日前まで3軍でプレーしていた浅野 翔吾外野手(高松商)が一軍で決勝アーチを放ち勝利の立役者に。「投手陣は例年以上に質が高い。野手陣も1つ1つのプレーのきめの細かさ、粘り強さがある」と駒田監督が期待をかける選手たちは、四国ILとの交流戦で浅野に続く”下剋上”の機会を虎視眈々と狙っている。