巨人の秋広 優人内野手(二松学舎大付)、大江 竜聖投手(同)とソフトバンク・リチャード内野手(沖縄尚学)の交換トレードが決まった。2年連続40登板の実績を持つ左腕に高卒5年目の主軸候補、かたや二軍で5年連続本塁打王のロマン砲とまさに「電撃」の走るトレードが成立した。

 特に巨人ファンから悲しみの声があがったのが秋広の移籍だ。背番号はかつて松井 秀喜氏も背負った「55」。身長2メートルを超える長身から強烈な打球を放ち、ルーキー時代からファームで4番を任されてきた。当時の2軍監督だった阿部 慎之助監督と二人三脚で成長を遂げ、高卒3年目には一軍で121試合、10本塁打と早くもレギュラー定着に向けてアピールしてきた。

 しかし、その後は自慢の打撃が奮わず今季も5試合の出場に留まっていた。岡本 和真内野手(智弁学園)の怪我でチャンスが舞い込んだが、一塁手では増田 陸内野手(明秀日立)が結果を出し、外野手にも若林 楽人外野手(駒大苫小牧―駒沢大)が定着。居場所が狭まっていた。

 移籍先のソフトバンクでは、柳田 悠岐外野手(広島商広島経済大)ら主力選手が怪我で離脱を余儀なくされている。緊急事態を救う活躍にも期待がかかるが、12球団屈指の巨大戦力を誇るチームでレギュラー獲りは至難の業だ。

 秋広の主戦場である一塁手には中村 晃内野手(帝京)がおり、5月の打率.353と好調を維持して5番を任されている。また指名打者にも山川 穂高内野手(中部商富士大)、石塚 綜一郎選手(黒沢尻工)ら長打力を誇る選手も控えている。両翼も柳町 達外野手(慶応慶応義塾大)が結果を残し、近藤 健介外野手(横浜)、正木 智也外野手(慶応慶応義塾大)らが怪我から復帰するまでに存在感を示したいところだ。

 未だ22歳と若いが、花開くためにはさらなる争いに勝ち抜いていかなければならない。大器が新天地で輝くことが出来るのか注目だ。