巨人の大城 卓三捕手(東海大相模―東海大―NTT西日本)が苦しんでいる。17日の中日戦では、代打出場も高橋 宏斗投手(中京大中京)の前に三振に終わった。直近では22打席無安打で13三振と本来の実力を発揮できていない。
不振にあえぐ大城の代わりに期待したいのが山瀬 慎之助捕手(星稜)。球界屈指ともいえる肩の強さに加え、ここまで2軍で打率.303とバットでも結果を残している。13日のイースタンリーグ・日本ハム戦では3安打を放つなど一軍昇格へ猛アピール中だ。
一軍捕手では開幕から好調を維持していた甲斐 拓也捕手(楊志館)が5月は打率.156と調子を落としている。昨年捕手として最多出場の岸田 行倫捕手(報徳学園-大阪ガス)も13試合に留まっているが、捕手陣のカンフル剤として一軍に呼ぶことで刺激になるのではないか。
山瀬は高卒6年目と二軍で経験を積ませる立場ではない。また、今年で24歳を迎えるが、支配下の捕手で最年少であり、有望株として期待された秋広 優人内野手(二松学舎大付)のようにトレードでの移籍は編成上考えにくい。将来的に正捕手として据える事を想定するならば、好調を維持している今こそ一軍で起用すべきだろう。
一方、苦戦が続く大城も3年連続2桁本塁打、2023年に打率.281を記録した打撃は、長いシーズンを考えれば必要となる時が来るはず。甲斐、岸田らが苦しい時に捕手陣を支える存在として、今は二軍でリフレッシュ期間を作るのもひとつの策だ。
甲斐の加入で12球団屈指の捕手層として言われていたが、苦境を迎えている。長く正捕手を務めた阿部 慎之助監督(安田学園)の下す判断に注目したい。