今シーズンも村上 宗隆(ヤクルト/九州学院)や柳田 悠岐(ソフトバンク/広島商)といった、故障で離脱してしまった高額年俸の主力選手は多数いる。チームにとっては大きな痛手だ。一方で、年俸が低いにもかかわらず好成績を残している、いわゆるコストパフォーマンスに優れた選手も少なくない。今回は、そんな“コスパのよい”選手の中から野手に絞って紹介する(年俸は推定)。
セ・リーグでは、首位打者を争っている泉口 友汰(巨人/大阪桐蔭)が2200万、8本塁打を放ち主に3番を務める上林 誠知(中日/仙台育英)は1750万となっている。
若手では松尾 汐恩(DeNA/大阪桐蔭)もバウアーの主戦捕手を務めるなど、昨年の27試合をすでに超える35試合に出場。もちろん規定打席には届いていないが、打率.316(76打数24安打)、3本塁打、OPS.853、得点圏打率.313を記録しており、まさに「打てる捕手」として覚醒しつつある。高卒3年目ということも相まって、年俸は1100万と格安だ。
中堅のレギュラーを奪いつつある岩田 幸宏(ヤクルト/東洋大姫路)は1000万。外野のレギュラーを争うようになった中村 奨成(広島/広陵)も4年ぶりの本塁打を放つなど、すでにキャリアハイの打席数を更新している。ドラフト1位入団ながら8年目で、これまで目立った実績がなかったこともあり、今シーズンの年俸は800万だ。
パ・リーグでは、廣岡 大志(オリックス/智弁学園)が「1番・三塁」に定着しブレイク中。ヤクルト時代の2019年以来、6年ぶりに150打席を超え、打率.309(136打数42安打)と好調だ。年俸は2200万で泉口と同じ。規定打席にはまだ達していないが、両リーグの首位打者が高コスパの選手となる可能性もある。
すでに7本塁打・8盗塁と、打って走れる野村 勇(ソフトバンク/寒川)は2100万。ルーキーイヤー以来となる2桁本塁打・2桁盗塁も見えてきた。内野はどこでも守れるユーティリティー性もあり、非常にコストパフォーマンスが高い。
その他、リードオフマンに定着した西川 愛也(西武/花咲徳栄)は2200万。渡邊 佳明(楽天/横浜)も今シーズンは打率.329(79打数26安打)と好成績を残している。内外野を守ることができ、スタメンだけでなく代打の切り札的な存在にもなっており、1800万とコスパは良好だ。
1000万以下では、吉田 賢吾(日本ハム/横浜商大)が850万ながらすでに4本塁打を記録し、“現役ドラフトドリーム”を体現している。高卒2年目でブレイクしつつある寺地 隆成(ロッテ/明徳義塾)も550万。捕手としてスタメン出場した試合数は30試合にのぼり、佐藤 都志也(聖光学院)の17試合を大きく上回っている。このまま正捕手の座をつかんでも不思議ではない。
年俸が高くない選手は、つまりこれまで実績がない、あるいは近年不振だったということでもある。まだシーズンの半分以上が残っているが、これまで同様に駆け抜けることができるかは未知数だ。ここから先、失速することなくシーズンを終えられるかどうか。そのパフォーマンスに注目したい。
※成績は6月8日まで
<高コスパ野手の年俸一覧>
岩田 幸宏(ヤクルト/東洋大姫路)1000万
中村 奨成(広島/広陵)8年目 800万
野村 勇(ソフトバンク/寒川)4年目 2100万
渡邊 佳明(楽天/横浜)7年目 1800万
吉田 賢吾(日本ハム/横浜商大)3年目 850万
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