【交流試合】鹿児島選抜 vs 宮崎選抜
鹿児島選抜は良き経験と学びの場
<第2回鹿児島・宮崎県選抜交流試合:鹿児島選抜9ー1宮崎選抜>◇19日◇第2戦◇平和リース
第2戦は序盤から鹿児島選抜ペースで試合が進んだ。
立ち上がり、1死から5連続四死球に捕逸と相手のスキに乗じて2点を先取。7番・中村 仁(鶴丸)が左前2点適時打を放ち、8番・坂口 隼也(鹿児島商)も左前打でつなぎ、9番・荒木 球翔(れいめい)の左前適時打で計5点を挙げた。
鹿児島選抜の先発は井上 剣也。最速147キロの直球を武器に、3回までを6奪三振、被安打1、四球1。4、5回を投げた菊池 匠太郎は186センチの長身から投げ下ろす角度のある直球を中心に、2回で4奪三振、被安打1、四球1。鹿児島実の両右腕の好投で前半は宮崎選抜に付け入るスキを与えなかった。
5回、鹿児島選抜は1死から3連打を浴びせ、8番・坂口の左越え三塁打でダメ押しの2点を追加した。
7回まで得点機もなかなか作れなかった宮崎選抜だったが8回に反撃。唯一、2安打を放って気を吐いていた9番・中山 太智(宮崎北)が3打席連続安打となる右前打で出塁すると、1死満塁と好機を広げ、4番・安藤 千汰(都城)の犠飛で1点を返した。
鹿児島選抜は9回にも相手のエラーでダメ押しの2点を追加。9対1で鹿児島選抜が勝利し、昨年2連敗だった雪辱を果たした。
競い合うライバル同士がチームとなり、隣県の選抜チーム同士で交流戦をする。昨年に続いて2度目の交流戦は各選手たちにとって良き経験と学びの場となった。
「最初はチームとしてまとまらず不安も大きかったけれども、最後は1つのチームになって勝つことができた」と主将を任された東田 誠矢(国分中央)は言う。戦術的な鍛錬はしていない選抜チームであれば、個の力に頼る部分が大きい中でも、投手を中心にチームで守り、打線をつないでチームで点をとる「チームで勝つ」(床次 隆志監督)野球が2試合できた。
普段対戦することがない相手チームからも刺激を受けることがあった。「宮崎選抜の選手たちは初球からでもフルスイングしていた。そういうところは学びたいと思った」と初戦で先制2ランを放った原田 颯馬(鹿児島実)は言う。
10月の国体後から約1カ月、週末を中心に4回合同練習を積み、鹿屋体育大で野球能力に関する数値の測定をしたり、懇親会で焼き肉を食べるなどで絆を深めた。東田主将は鹿児島実や神村学園の選手と打撃論を交わしたことが大きな学びになったという。「打撃の考え方も自分が教わったことだけが100%正しいわけでもない。いろんな考え方がある」のを学んで野球に関する見識が広まった。
チームの垣根を越えて「横のつながりをつくることが県全体のレベルアップにつながる」と鹿児島県高野連の山内 昭人理事長は期待する。東田主将は「このチームで学んだ経験をこれからに生かして、来春、夏は良きライバルとして切磋琢磨していきたい」と今後の抱負を話していた。