高校時代は「肘に不安があった」選手が大学準硬式で投手として大活躍! 最速138キロ右腕として全国で躍動!
<第41回全日本大学9ブロック対抗準硬式野球大会:全九州選抜4-4全中国選抜>◇18日◇予選リーグ◇マスカットスタジアム
全九州選抜は、決勝トーナメント進出に王手をかけて迎えた全中国選抜との一戦。試合は4対4の引き分けになったものの、大会規定によって予選突破。1勝1分で決勝トーナメントに駒を進めた。
2連勝とはならなかったが、先発・谷口源投手(九州大=2年)の活躍なくして、この結果はない。
6回までヒット1本も許さないノーヒットノーランペース。7回に初ヒットを許して崩れたものの、試合の主役になっていたのは間違いない。
前評判は高かった。秋の九州六大学準硬式野球リーグでは、最優秀防御率をはじめ複数タイトルを獲得。先日の甲子園大会には応募しなかったが、実力ならリーグ屈指の投手だ。
最速138キロを計測するストレートを軸に、ツーシームやスライダーを操る。特にツーシームが120キロ台の球速から鋭く沈んでいたこともあり、空振りを奪うシーンを多く見られた。谷口の投球を支える球種であることはすぐに分かった。
このツーシーム、覚えたのは大学準硬式に入ってから。しかも覚えてまだ3か月程度と日が浅い。
唐津東時代、最後の夏はエースナンバーを背負ったが、「肘に不安を抱えていた」と決して万全な状態ではなかった。九州大に進学しても改善されず、1年目は打者として活躍。ベストナインも2度受賞するほどの実力があった。
しかし、投手不足がチームとして課題になっていたことを受けて、「投手としてもチームに貢献したい」と一肌脱いだ。再び投手に転向。高校時代は変化球が覚えられなかった反省を踏まえて、打たせて取るためのツーシーム、さらに空振りを奪うためのスライダーの2球種に挑戦。友人にアドバイスをもらいながらも習得に成功。「良い感じに投げられています」と確かな手ごたえと自信をもって投げ込める武器となった。
肘についても、この秋は大きな問題はなく、ひとまず完走した。硬式球に比べて軽い準硬式だからこそ、継続できているのだろう。
3年生となる来年は、打者としても復帰予定。二刀流で大車輪の活躍が期待される。甲子園大会にも「来年開催されるなら挑戦したい」と意欲的だ。
大学準硬式で、再び投手として花を開かそうとしている谷口の活躍に注目したい。