18年ドラフト組、ソフトバンクでは甲斐野、板東が奮闘中
甲斐野 央
10月26日にドラフト会議が開催される。野球界では、「ドラフトの成否は5年、10年経たないと分からない」とよく言われる。今シーズンが5年目のシーズンとなる2018年ドラフト指名選手たちは、どのような状況なのだろうか。球団別で振り返ってみたい。
2018年のドラフト会議でソフトバンクは小園 海斗内野手(報徳学園出身=現・広島)、辰己 涼介外野手(社出身=現・楽天)と2度抽選を外した。3度目の入札で交渉権を獲得したのが甲斐野 央投手(東洋大姫路出身)だった。甲斐野は1年目からセットアッパーとして65試合に登板し、26ホールドをマークするなどいきなりの活躍を見せ、オフにはプレミア12の日本代表にも選ばれた。
しかし2年目に右肘の故障を発症し1軍登板が0に終わってしまう。そこから回復し3年目は22試合、昨シーズンは27試合の登板と徐々に1年目の輝きを取り戻すと、今シーズンはここまで45試合に登板し防御率2.59と結果を残している。
ドラフト2位以下も投手の指名が多かった。2位・杉山 一樹投手(駿河総合出身)、4位・板東 湧梧投手(鳴門高出身)、6位・泉 圭輔投手(金沢西出身)、7位・奥村 政稔投手(中津商出身)と甲斐野を含めて支配下指名した7人のうち、実に5人が投手だった。
なかでもコンスタントに結果を残しているのが板東だ。高卒社会人出身の板東は2年目に1軍デビューを果たすと15試合(先発1試合)に登板し2勝2敗2ホールド、防御率2.56と結果を残す。
3年目には中継ぎとして44試合に登板し0勝2敗16ホールド、防御率2.52と僅差のゲームでの登板が一気に増えた。一転して昨シーズンは25試合(7先発)の登板で2完投(1完封)と先発としての結果も残す。今シーズンもここまで30試合に登板したうちの11試合は先発。役割が定まらないなかでも、5勝4敗1ホールド、防御率3.04と結果を残している。
野手はドラフト3位の野村 大樹内野手(早稲田実業出身)と同5位の水谷 瞬外野手(石見智翠館出身)が支配下で指名された。野村は昨シーズン31試合に出場し、打率.229(70打数16安打)と出場機会が増えてきた。そして今シーズンはここまで41試合に出場。プロ初本塁打も記録している。水谷はここまで1軍出場がない。
育成ドラフトでは1位指名の渡辺 陸捕手(神村学園出身)が支配下登録を勝ち取り昨シーズンは20試合に出場。主に大関 友久投手(土浦湖北出身)とバッテリーを組み3本塁打を放つパワーを見せた。しかし今シーズンはここまで1軍で出場がない。
<2018年ドラフト>
1位:甲斐野 央(東洋大姫路ー東洋大)
2位:杉山 一樹(駿河総合ー三菱重工広島)
3位:野村 大樹(早稲田実業)
4位:板東 湧梧(鳴門ーJR東日本)
5位:水谷 瞬(石見智翠館)
6位:泉 圭輔(金沢西ー金沢星稜大)
7位:奥村 政稔(中津商ー九州国際大中退ー三菱日立パワーシステムズ)
育1位:渡辺 陸(神村学園)※現在は支配下
育2位:岡本 直也(千葉経大附ー東農大北海道オホーツク)
育3位:重田 倫明(千葉英和ー国士舘大)
育4位:中村 宜聖(西日本短大附)
※数字は2023年10月2日終了時点