日本体育大、2アーチと継投策で粘る天理大に辛勝!<明治神宮大会・大学の部>
<第54回明治神宮野球大会:日本体育大2-1天理大>◇18日◇大学の部・準々決勝◇神宮
2017年のこの大会で優勝を果たして以来の、6年ぶり13回目の出場となった日本体育大。関東五連盟によって争われた横浜市長杯争奪関東大学野球選手権大会兼明治神宮大会出場決定戦では、関甲新学生野球連盟の上武大に敗れたものの、第2代表として今大会に出場を果たした。そして、この大会では1回戦では北陸・東海三連盟代表の中部学院大を下して準々決勝への進出となった。
天理大は阪神大学リーグを制して、関西五連盟代表決定戦でも佛教大、大阪商業大、関西大を下して第1代表として出場を果たして、シードとなりこの日が初戦である。
天理大は真城 翔大投手(4年=高知商)、日本体育大は箱山 優投手(3年=日体大柏)が先発。まずは、お互いに、まずまずの立ち上がりだったが、2回に日本体育大は5番に入っている酒井 成真外野手(1年=東海大菅生)が右翼席へソロホーマーを放って先制。バットコントロールの上手さも感じさせてくれる打撃でもあった。
天理大も、3回には1死で、1番・井脇 将誠外野手(3年=尽誠学園)が中越え三塁打を放って同点の好機を作ったものの、箱山自身の好フィールディングもあって無得点。
そして、4回には日本体育大は酒井が、今度は左翼席へ再びソロホーマー。酒井は右へ左へと巧みに打ち分けての連続本塁打で、センスの良さを感じさせた。
しかし、その後の日本体育大は6回、7回と三塁まで進めて追加点のチャンスを迎えながらも、あと1本が出ないという状況で、いくらか歯がゆい展開となった。この点に関しては、古城 隆利監督も、「先制ホームランが出て、酒井が連続で打ってくれたのはよかったんですけれども、その後はあと1本が出ないという状況で、苦しみましたね。チャンスが迎えられたかと思ったら、投手のところに打順が回ってくるという、巡り合わせもよくなかったですね」と、試合の流れを振り返っていた。そして、9回には連打が出たものの、それまでは、3番・門馬 功内野手(2年=東海大相模)と、4番・本間 巧真外野手(4年=東海大相模)の中軸が、ことごとく抑えられ、ともに2三振ずつでもあったということを苦戦の要因にも挙げていた。
こうして追加点が挙げられない中で、投手陣は箱山が7回まで3安打に抑えて無失点。代打が出た都合もあって8回からは馬場 拓海投手(1年=福岡大大濠)が登板した。しかし、9回には先頭の石飛 智洋外野手(3年=出雲西)が中越え二塁打を放つと、2死から、代打・野上 真叶外野手(3年=明豊)が、一塁線を破る二塁打で二塁走者をかえして1点差。これで、どうなるかわからないぞという展開になった。
ここで、日本体育大の古城監督は3人目として寺西 成騎投手(3年=星稜)を投入。最後は寺西が三振で切って取って、何とか1点を守り切る形となった。
古城監督は、「寺西は、故障上がりなので、あまり無理はさせたくなかった。本当ならば、馬場で抑え切りたかった」というのが本音だったようだ。
この試合で、2本塁打が得点のすべてとなったのだが、その2本を放った酒井は「引っ張ることよりも、センター中心に打ち返していくということを心がけていたのですが、その結果として右と左へ本塁打できたと思います」と語っていた。そして、「今後は、研究されてマークされるかもしれませんが、意識しすぎないようにしたい」と、この先へ向けての思いも口にしていた。
追い上げも1点止まりだった天理大の藤原忠理監督は、「打線のエンジンのかかりが遅かったですね」と悔いていた。また、真城投手に関しては、「本塁打は打たれましたが、ある程度はイメージ通りで試合を作るということはできたと思います」と評価していた。