<第77回春季関東地区高等学校野球大会:横浜8-1作新学院>◇19日◇2回戦◇ひたちなか市民球場

 横浜の2年生ショート・池田 聖摩内野手の成長が著しい。1年夏からショートのレギュラーを取り、登板もしていたが、昨秋はショートに専念。村田監督によると、しっかりと体を作り上げるまでには登板させない方針だった。打つ、走る、守る、投げる、すべてにおいて高水準のプレーを見せる。だからこそ体力強化が重要だった。

「体を大きくしていかなければ、できるプレーが限られています。できるプレーを増やすために、この冬はしっかりと食べさせました」(村田監督)

 より投打で躍動するために、段階を踏んで万能型の選手の道を歩んできた。体重は3キロ増えただけだが、筋肉量が増え、全体的にプレーの力強さが増し、この春の県大会から登板している。

 関東大会初戦となった作新学院戦では2回表、二死から登板すると、最速146キロをマークした速球でねじ伏せると、その後も常時140キロ前後の速球、120キロ中盤のスライダー、フォークを交えて、5.1回を投げて無失点の好リリーフだった。池田は自身の成長についてこう語る。

「以前は直球だけでしたが、スライダー、フォークの精度が増して、しっかりと組み立てができるようになりました。今は内野ゴロを打たせる投球もできています」

 体全体を使った投球フォームは野手兼任とは思えないほど合理的な動きをしており、センスの高さが伝わる。また池田が凄いのは、ブルペンで投げることなく、マウンドに登り、規定の投球数を投げた後に140キロ台の速球を投げ込んでいることだ。緊急的なリリーフを行う横浜だが、少ない準備でフルパワーの投球ができるのは池田のみだろう。

「少年野球の時から、ショートからマウンドに上がる準備はずっとしていて、習慣化していると思います。今ではキャッチボール、ノック、イニング間の送球でもしっかりと投げられる準備はしています」

 センバツ以降、織田翔希投手(2年)、奥村頼人投手(3年)に続く先発タイプの投手の台頭が課題だった。この春、多くの投手が登板したが、安定感、ボールの威力、平均球速は池田が頭一つ抜けており、村田監督は「池田は使える目処が出てきました」と高評価している。

 準々決勝でも投打ともに躍動したパフォーマンスが期待される。