【関西六大学】上田大河(大商大)、1時間の雨中断にも動じないドラフト候補右腕の実力
<関西六大学野球秋季リーグ:大阪商業大6-1大阪経済大>◇15日◇第7節2回戦◇マイネットスタジアム皇子山
負ければ4季連続優勝がなくなる大阪商業大が、逆転勝ちして大阪経済大との対戦成績を1勝1敗とした。
大阪商業大は今秋のドラフト候補で主将の最速154キロ右腕・上田 大河投手(4年=大阪商業大高)が先発。「今日が一番状態は良かったと思う」と富山陽一監督も信頼して送り出した。
しかし、2回、連打と犠打で1死二、三塁のピンチを招くと、7番・美濃 克尚外野手(3年=高松商)に左犠飛を打たれて先制点を許してしまう。さらに続く8番・豊田 凜外野手(4年=津名)の打席で2ボール1ストライクとなったところで雨が強くなり、試合は一時中断となった。
「体を冷やさないようにして、気持ちを切らさないようにして待っていました」と上田は再開の時を待つ。58分間の中断の末に試合が再開されると、3ボール1ストライクから147キロの直球で豊田を二塁ゴロに打ち取り、追加点を許さなかった。
上田に負けじと大阪経済大先発の林 翔大投手(3年=乙訓)も好投を見せ、4回まで3安打無失点と大阪商業大打線を封じる。
しかし、5回に1死一塁から3連続四死球で押し出しとなり、大阪商業大が同点に追いつく。一打勝ち越しの場面で4番・渡部 聖弥外野手(3年=広陵)は併殺コースの遊撃ゴロに倒れるが、遊撃手の坪山 雄大内野手(3年=関大北陽)がファンブル。二塁しかアウトにできず、勝ち越し点を奪った。
大阪商業大はさらに5番・福島 大輝外野手(3年=倉敷商)、途中出場の板谷 朋生内野手(2年=高知中央)の適時打で2点を追加。今季ここまで4勝無敗と好調だった林を攻略した。
大阪商業大は6回にも2番・大橋 優斗外野手(4年=岐阜第一)の適時三塁打などで2点を追加。3対8で敗れた前日(14日)とは対照的な試合運びを見せた。
「今年で一、二くらいのベストピッチングだったと思います」と振り返る上田。力のある直球で押し込み、チェンジアップで空振りを奪う場面も目立った。
上田は8.2回を投げて5安打無四球7奪三振で1失点。エース、主将としての意地を見せ、優勝に望みを繋いだ。
16日の3回戦で勝った方が優勝となる。この日に124球を投げた上田も翌日に向けて臨戦態勢。「関西選手権、神宮に行けるように自分が引っ張っていこうと思います」と頂上決戦に決意を固めている。
取材=馬場 遼