<第77回春季関東地区高等学校野球大会:山梨学院7×-6叡明>◇19日◇2回戦◇ノーブルホームスタジアム水戸

 山梨学院菰田 陽生選手(2年)の投球に球場全体がぐぎづけになった。7回途中からマウンドにあがると、3回2/3全てのアウトを三振で奪う好救援。194センチの大器が怪物ぶりを存分に発揮した。

 まさに衝撃投球だった。ビハインドの場面で迎えた7回は勝ち越し打を許したものの、「1点で抑えられたのがよかった」と、3番、4番から二者連続三振を奪ってピンチを脱した。その後は常時140キロ中盤の直球を軸にしながら「三振をとる球は強くなければいけないので、2ストライクから強い球を意識している」と、追い込んでから140キロ後半の球を投げ込んで三振を量産。リリーフながら11個まで積み上げ、叡明打線に付け入る隙を与えなかった。

 菰田は春の山梨大会以降、投球フォームの改善にも着手。「以前のような横のラインではなく、縦のラインで投げられるように意識した」と194センチの長身を活かした角度のあるボールを投げ込んだ。センバツ大会では「日本プロ野球界の宝になる」と褒めちぎっていた吉田 洸二監督も、「セットポジションになると横振りになってしまうので、縦に使うように練習した。今日は相手が高めのボール球を振っていたことが成長だと思う」と称えていた。

 今春はこの日先発した檜垣 瑠輝斗投手(2年)が急成長を遂げ、背番号1をつけてチームを牽引してきた。同学年の2年生の活躍に指揮官も「檜垣の存在が菰田の刺激になっている。春で檜垣が追い抜き、今回は菰田が追い抜いた。2人には争って成長して欲しい」と期待をかけていた。

 今春のセンバツでは2年生として大会最速タイとなる152キロを計測。打者としても西日本短大付戦で適時打を放ち、瞬く間に全国区の存在となった。進化の止まらない怪物2年生から今後も目が離せない。