オリックスの18年ドラフト入団では、頓宮が今季大ブレーク
9月1日に高校生及び大学生のプロ志望届の公示が始まった。ドラフト会議へ向けてこれから報道が加熱していくことだろう。
野球界では、「ドラフトの成否は5年、10年経たないと分からない」とよく言われる。今シーズンが5年目のシーズンとなる2018年ドラフト指名選手たちは、どのような状況なのだろうか。球団別で振り返ってみたい。
パ・リーグ3連覇を達成したオリックスは、2018年のドラフト会議において小園 海斗内野手(報徳学園出身=現・広島)に入札した。しかし抽選で外れたため、2度目の入札で太田 椋内野手(天理出身)を単独指名し交渉権を獲得した。
太田は度重なる故障もあり1軍に定着することはできていない。ここまでの最多出場も3年目の53試合と出場機会も多くない。それでも昨年の日本シリーズ第7戦では「初回先頭打者初球ホームラン」を放つ活躍。日本一にも貢献している。今年9月に左手首の手術を受けており、現在はリハビリ中。レギュラー挑戦は来シーズンへ持ち越しとなりそうだ。
ドラフト2位の頓宮 裕真捕手(岡山理大附出身)は今シーズン大ブレークを果たしている。昨シーズンまでは目立った活躍がなかったものの、今シーズンは113試合の出場で打率.307(401打数123安打)、16本塁打と主軸となった。自身初のタイトルとなる首位打者を狙える位置につけている。
ドラフト5位の宜保 翔内野手(未来沖縄出身)、同7位の中川 圭太内野手(PL学園出身)と下位指名からも1軍の戦力は誕生している。とくに中川はルーキーイヤーにセ・パ交流戦の首位打者を獲得。その後、やや伸び悩んだものの昨シーズンは110試合に出場。今シーズンも126試合に出場し打率.269(484打数130安打)に自身初の2ケタ本塁打となる12本塁打とチームを牽引している。
一方で投手陣は苦戦中だ。ドラフト3位の荒西 祐大投手(専大玉名出身)と同6位の左沢 優投手(横浜隼人出身=現・チームスタッフ)はチームを去った。同4位の富山 凌雅投手(九州国際大付出身)も2021年に51試合の登板を果たしたものの、昨シーズンは8試合の登板にとどまった。その後、トミー・ジョン手術を受けたことで現在は育成契約選手としてリハビリを行っている。
唯一、今シーズンも1軍で登板しているのが育成1位の漆原 大晟投手(新潟明訓出身)だ。20年開幕前に支配下登録を勝ち取り、2年間で56試合に登板。今シーズンもここまで13試合に登板している。
<2018年ドラフト>
1位:太田 椋(天理)
2位:頓宮 裕真(岡山理大附ー亜細亜大)
3位:荒西 祐大(専大玉名ーホンダ熊本)※現在は信濃グランセローズ(独立リーグ)
4位:富山 凌雅(九州国際大付ートヨタ自動車)※現在は育成契約
5位:宜保 翔(未来沖縄)
6位:左沢 優(横浜隼人ー横浜商科大ーJX-ENEOS)※すでに現役を引退
7位:中川 圭太(PL学園ー東洋大)
育1位:漆原 大晟(新潟明訓ー新潟医療福祉大)
※数字は2023年9月26日終了時点