試合レポート

川口vs川口工

2023.04.23

共にふた桁安打の打ち合いは1点差で川口が川越工業を制し初戦突破!

川口vs川口工 | 高校野球ドットコム
川口・遠田 恵果

<春季高校野球埼玉県大会:埼玉川口7-6川越工>◇22日◇1回戦◇UD上尾スタジアム

 曇天の中行われた県大会初戦、[stadium]上尾市民球場[/stadium]の第1試合は埼玉川口対川越工との一戦である。

 まずはスタメン、埼玉川口は昨秋2番の菱木 和哉(3年)を1番に上げ、秋1番の武居 生真(3年)が2番に入る。5番には佐藤 健太朗(2年)、6番には寺垣 草汰(2年)が入り、秋5番の酒井 大翔(2年)が7番に入る。

 先発は埼玉川口・遠田 恵果投手(3年)、川越工佐藤 柚希投手(3年)と両エースが登板し試合が始まる。埼玉川口・遠田はオーソドックス安定感タイプの右腕、一方の川越工・佐藤はロッテ・佐々木 朗希投手(大船渡高出身)のように足を上げるフォームから投球する右腕である。

 試合はシーソーゲームとなった。

 先制したのは埼玉川口であった。埼玉川口は初回、川越工・佐藤の立ち上がりを攻め、1死から2番・武居の打球が左前へポトリと落ちる二塁打を放ち出塁すると、続く遠田が左前へ適時打を放ち1点を先制する。

 対する川越工の反撃は3回、先頭の笛木 眞央(3年)が中前安打を放ち出塁すると、続く福﨑 悠太(3年)がきっちりと送り1死二塁とする。ここで3番・佐藤が中越えの適時三塁打を放ちまず1点、さらに2死後、5番・長島 瑠音(2年)も中前適時打を放ちすぐ逆転に成功する。

 逆転を許した埼玉川口は4回、この回の先頭・土屋 拓海(3年)が右翼線へ二塁打を放ち出塁すると、続く佐藤も打球が遊撃手後方へポトリと落ちるヒットを放ち無死一、二塁とする。ここで6番・寺垣がきっちりと送り1死二、三塁とすると、続く酒井が右中間へ2点適時二塁打を放ちまず2点、さらに2死後、1番・菱木が左越えの適時二塁打を放つなど、この回3点を奪い4対2と再逆転に成功する。

 対する川越工も5回、先頭の笛木が中前安打を放ち出塁すると、続く福﨑がきっちりと送り1死二塁とする。ここで続く佐藤が右前適時打を放ちまず1点、さらに4番・田中 忠士(3年)が右前安打を放ち1死一、三塁とする。ここで続く長島がセーフティースクイズを決めるなど川越工が4対4の同点に追いつく。

 追いつかれた埼玉川口は6回、この回からマウンドに上がった2番手左腕・増田 己太朗投手(3年)に対し、この回先頭の酒井が四球を選び出塁すると、続く濱本 陽(2年)がきっちりと送り1死二塁とする。2死後、1番・菱木のところでボークでまず1点、さらに菱木が右越え三塁打を放ち出塁すると、続く武居も遊撃手強襲の適時二塁打を放ちすぐに2点差とする。

 対する川越工も7回、先頭の笛木が二塁への内野安打で出塁すると、1死後、3番・佐藤が右前安打を放ち1死一、三塁とする。ここで続く田中が右前適時打を放ち1点差とする。

 だが、埼玉川口はこの回先頭の酒井が四球を選び出塁すると、1死後、9番・岡野 龍磨(2年)がきっちりと送り2死二塁とする。ここで1番・菱木の遊ゴロは相手エラーを呼び、7対5と再度2点差をつける。

 このままでは終われない川越工も最終回、この回先頭の福﨑がソロ本塁打を放ち1点差、さらに2死から5番・長島、6番・今岡 勇哉(2年)の連打であと1歩まで追い込むが反撃もここまで。

 最後は遠田が踏ん張った埼玉川口が7対6と1点差で逃げ切り初戦を突破した。

 まずは埼玉川口だが、この日はエース遠田がとにかく最後までよく投げた。6回からはカーブなどを交えるなど工夫が見られた。

「(遠田は)いま一歩ですかね。ただ持ち味は出せたかなと。完投は本人が行きたいということだったので。打線は体に力がついてきて振れるようになってきた」と鈴木監督も目を細める打線はこの日も11安打と、とにかく打線が振れている。スタメン5人(うち内野4人)が2年生という若いチームであるだけに勢いに乗ると楽しみな存在だ。

 一方の川越工も3投手それぞれに特徴があり、夏を見据えると状況的には悪くはない。打線も既に現時点で打線も12安打で6点を取れている。

「投手陣が総じてやや乗り切れないところはあった。相手の戦い方は分かっていただけに、勝ってもう少し上で戦いたかった。勿論責められないんですが、(ミスで)あげちゃった点は取り返せない」と荒木監督は試合後悔しさを滲ませたが、課題は守備か。失策自体は1だが、目に見えないミスも出た。この辺りは夏までに整備したいところであろう。

(取材=南 英博

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.04.26

【春季四国大会逸材紹介・高知編】2人の高校日本代表候補に注目!明徳義塾の山畑は名将・馬淵監督が認めたパンチ力が魅力!高知のエース右腕・平は地元愛媛で プロ入りへアピールなるか!

2024.04.26

今週末に慶應vs.横浜など好カード目白押し!春季神奈川大会準々決勝 「絶対見逃せない注目選手たち」!

2024.04.26

古豪・仙台商が41年ぶりの聖地目指す! 「仙台育英撃破」を見て入部した”黄金世代”が最上級生に【野球部訪問】

2024.04.26

【奈良】智辯学園が13点コールド!奈良北は接戦制して3回戦進出!<春季大会>

2024.04.26

【春季奈良県大会】期待の1年生も登板!智辯学園が5回コールド勝ち!

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.24

春の埼玉大会は「逸材のショーケース」!ドラフト上位候補に挙がる大型遊撃手を擁する花咲徳栄、タレント揃いの浦和学院など県大会に出場する逸材たち!【春季埼玉大会注目選手リスト】

2024.04.22

【和歌山】智辯和歌山、田辺、和歌山東がベスト8入り<春季大会>

2024.04.22

【九州】神村学園、明豊のセンバツ組が勝利、佐賀北は春日に競り勝つ<春季地区大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.05

早稲田大にU-18日本代表3名が加入! 仙台育英、日大三、山梨学院、早大学院の主力や元プロの子息も!

2024.04.02

【東京】日大三、堀越がコールド発進、駒大高はサヨナラ勝ち<春季都大会>

2024.04.12

東大野球部の新入生に甲子園ベスト4左腕! 早実出身内野手は司法試験予備試験合格の秀才!