<春季高校野球神奈川県大会:相洋6-0武相>◇19日◇4回戦◇サーティーフォー相模原球場

 昨春の神奈川大会王者・武相が4回戦で姿を消した。序盤に失点を重ね、豊田 圭史監督も「今日は完全に勢い負け。(相手が)若いチームだったので、先制されるとこういった展開になると予想していた。先制点が欲しかったし、初回のチャンスで同点にしたかった」と淡々と振り返った。

 豊田監督は「この試合が終わった瞬間、夏に向けてイメージは沸きました」と既に次を見据えている。昨年は春を制し、夏も準決勝で横浜を最後まで苦しめた。その中心となった八木 隼俊投手(3年)、三上 煌貴投手(3年)に高校日本代表候補にも選出された吉崎 創史捕手(3年)、4番を張る森山 惇内野手(3年)ら、下級生からスタメンを張った選手が最後の夏を迎える。

 この試合の収穫はエース左腕・八木の好投だろう。6点をリードされた中、4回からマウンドに上がると勢いづいていた相洋打線をピシャリと抑えて6回無失点。豊田監督も「彼はブレない。なかなか打てないと思う」と手放しでほめた。一方、「春は三上で行くと決めていた」と指揮官が成長を促す中、3回6失点と苦渋を飲んだ。右腕は「自信を持っている真っすぐが打たれ、連打で流れが悪くなってしまった。調子が悪いなりに抑えることが今後の課題です」と厳しい表情を浮かべたが、「八木がいて、三上がいて、十分に狙えると思う」と豊田監督は切り替えていた。

 夏に向けた戦いは既に始まっている。「昨年よりも準備期間が長いので、夏はもう二回りぐらい大きくなって臨みたい」と話す指揮官の手腕に注目だ。