<2025年全国高校野球選手権東東京都大会:二松学舎大付13-0両国>◇5日◇1回戦◇明治神宮球場
ノーシードながらセンバツ出場の二松学舎大付が、新戦力の活躍もあり、開幕戦で圧勝した。
新戦力とは、遊撃手として先発出場した納嵜 塁斗と、この試合で先発登板した川島 連十の1年生コンビだ。納嵜が遊撃手に定着したことで、もともと遊撃手だった入山 唯斗(3年)は、二塁手になった。
「二塁手の方が入山の動きの良さが生かせる。この形が一番しっくりくる」と市原 勝人監督は言う。納嵜が遊撃手を任せられたからこそ可能になったコンバートだった。
そしてもう1人の1年生、背番号18の川島は、5回コールドによる参考記録ながら、いきなりノーヒットノーランを達成した。1年生を先発投手に抜擢したことについて市原監督は「ボールがキレていたし、緊張感のある中で投げて、いい経験ができる」と語った。川島に先発を告げられたのは、開会式が終わった後だという。それでも、捕手の永尾 愛蓮(3年)は、「初回の入りは良かったです」と語る。
1回表両国を、三振2を含む三者凡退で抑えると、その裏二松学舎大付は一挙に8点を挙げ、1年生投手を楽にした。
川島は2回表も三振2を含む三者凡退。3回、4回と四球の走者は出したものの、安打は許さない。二松学舎大付は2回裏に3点、3回裏に2点を挙げ、13―0。5回表を無安打に抑えれば、参考記録ながらノーヒットノーランを達成することになる。
しかし、前日まで期末試験があったうえに、蒸し暑さも加わり、川島にも疲労が感じられるようになった。5回表は先頭打者をいきなり四球で歩かせた。市原監督は川島にノーヒットノーランを狙うように、声をかける。「5回は足も吊っていましたが、(ノーヒットノーランは)自信になりますから」と市原監督は言う。
疲れのみえる1年生の川島に、3年生のエース・河内 紬が水を持ってくる。一昔前なら考えられない、微笑ましい光景だ。
最後は両国の先発投手でもある8番・川口 結叶(2年)を右飛に仕留め、ノーヒットノーランを達成した。川島の投球は5回を82球、奪三振4、四死球3の内容だった。最速は138キロ。カーブ、スライダー、フォークを投げる。父親はヤクルト、ソフトバンクなどで活躍した川島 慶三氏だ。父親の影響もあり、幼稚園生のころには野球を始めていた。父親からは、「真っ直ぐを磨け」と言われている。
川島 慶三氏は現在、オリックスのコーチをしているため東東京大会をみてもらうのは難しい。しかし、甲子園に行けば、可能性が出てくる。野球をしている姿を父親がみたのは中学生の時だ。甲子園に行って、「成長した姿をみせたい」と川島投手は語る。
もっともまだ開幕戦を終えたばかり。甲子園への道のりは、これからだ。それでも、1年コンビが加わり戦力アップした二松学舎大付は、ノーシードでも優勝候補であることを強く印象付けた開幕戦であった。
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