”大阪対決”は大阪ガスに軍配! 大卒2年目コンビが活躍し、日本生命を下して決勝へ<社会人日本選手権>
稲垣豪人(大阪ガス)
<第48回社会人野球日本選手権大会:大阪ガス3-1日本生命>◇18日◇準決勝◇京セラドーム大阪
大阪ガスが日本生命との大阪対決を制して連覇した2大会前以来の決勝進出を果たした。
大阪ガスの先発は3日前の2回戦で日本通運を1失点完投した2年目の稲垣 豪人投手(日本文理出身)。中2日ということもあり、絶好調ではなかったが、「ここまで来たら気持ちが強い方が勝つと思っているので、気持ちだけは絶対に負けないように、と投げていました」と直球とスプリットを主体に丁寧な投球を見せた。2回には失策で先制点を許したが、その後は追加点を許さず、味方の反撃を待つ。
稲垣の力投に応えたのが、同期で1番・右翼の橋本 典之外野手(出雲高出身)。3回、無死から「振ることしか考えていなかった」と内角高めの直球に上手く反応すると、右翼ポール際に同点となる本塁打を放つ。さらにその後、1死三塁のチャンスを作ると、4番・三井 健右外野手(大阪桐蔭出身)の左犠飛で勝ち越しに成功した。
「大事なところではしっかりしたところに投げられたと思います」と、リードを貰った稲垣は変わらずに落ち着いた投球を見せ、8回を投げて、2安打、3四球で1失点(自責0)の好投。大阪ガスは8回に山川 晃汰外野手(長崎商出身)の犠飛で1点を加えると、最後は宮本 大勢投手(大体大浪商出身)が無失点に抑えて接戦をものにした。
前日に1失点完投した大宮 隆寛投手(鳥取城北出身)に加え、稲垣、橋本と大卒2年目の選手の活躍が目立っている今大会。「去年は僕らの世代は、あまり活躍することができなかったので、今年に懸ける思いは強い。都市対抗を逃してから、選手権に向けて絶対に優勝するぞ、とたくさん練習してきたので、あと1つ絶対に勝ちたいなと思います」と稲垣は話す。
峰下 智弘内野手(佐賀学園出身)や花本 太紀内野手(東大阪大柏原出身)など、実績のある30代の選手がいる中でルーキーながら遊撃手を務める髙波 寛生内野手(川越東出身)を含めた若手の成長が選手層に厚みをもたらしている。
決勝でHonda熊本と対戦する。「相手はかなりの強力打線。できるだけ最少失点に抑えて、守りからリズムを作って、うちのペースに持っていけるかが勝敗を分けると思います」と前田孝介監督。地元の大声援を武器に2年ぶりの頂点をつかめるか。