ドラフトで一挙6人が指名! 最強育成球団・徳島インディゴソックス「今年の新入団選手の㊙育成プラン」公開!
今年のドラフト会議で一度に6人もの指名があった徳島インディゴソックス(四国アイランドリーグplus)。過去11年連続計26名、チーム創立以来だと30名のNPB選手を輩出する「最強の育成球団」が7名の特別合格者(*)を発表した。
粗削りだが、ポテンシャルは高い、個性あふれる選手たちがそろった。ここから徳島はどのように彼らを育てていくのだろうか。
編集部は荒井健司球団オーナー兼GMを直撃。その「育成プラン」を聞いてみた。
(*特別合格者とはトライアウトとは別に、個別に合格通知が伝えられた選手のことをいう)
まず荒井オーナー兼GMは言う。
「徳島球団は『鍛えて勝つ』が育成方針です。しっかりとした身体が基本にあり、その上に技術が伴うように育てていきたい。ですので、全ての選手に言えることは、技術面の課題を解決するにはフィジカル強化をしないといけないということです。各選手がどれだけ身体作りができるのか。それがポイントですね」
では7名の育成方針を見ていこう。
工藤泰成「155キロの出力を維持できる身体を作る」
工藤 泰成投手(明桜-東京国際大)は東京国際大(東京新大学リーグ)の不動のエースで、MAX155キロを放つ右腕だ。
「実力は今年のドラフト指名漏れとなった大学生投手でも上位かと思いますが、四死球率が高いので、そこの改善がマストになります。
決して身体は大きくないのですが155キロを投げられる出力を持っています。フィジカルを徹底的に鍛える事で体への負担軽減を目指し、長いイニングを投げてもへばらない体つくりができれば、もう一段上のレベルの投手になれると思います」(荒井オーナー兼GM・以下同)
荒木隆之介「筋肉量と登板機会を増やしてスケールアップ」
荒木 隆之介投手(伊勢崎清明-東京国際大)は、MAX153キロのストレートを持ち、東京国際大ではクローザーを務めた。
「素材として非常に魅力的な右腕ですが、今シーズンは投げたイニングが多くはありません。チーム内競争を勝ち抜き登板機会を重ねる事で、試合での出力の最大化を促し、スケールの大きな投手になってくれる事を期待しています。また、体重もまだ82kgと細い。今後は筋肉量もしっかり増やしていく事で、現状のMAX153キロからまだまだスピードもあがってくると思います」
高橋快秀「西武・伊藤翔を彷彿させる野球センス、まずはフィジカル強化」
高橋 快秀投手(多度津)は今春の県大会で急浮上した香川県屈指の本格派右腕。
「高卒ということもあり、まだまだ身体が細いので、まずはしっかりフィジカルの強化をしていければと思います。手元で伸びる146キロのストレートや、切れ味鋭いスライダーなど持っているので、身体ができた後に、どれだけ進化できるのか楽しみです。(2017年徳島入から西武にドラフト3位で入団した)“伊藤翔二世”になれる野球センスを持っています」
岸本暖「手投げフォーム改善でさらに強肩を生かせるように」
岸本 暖捕手(福岡第一-日本経済大中退)は、高校時代から騒がれていた捕手。強肩が最大の武器。
「セカンド送球は1.85秒ですが、フォームに改善箇所があり、そこが伸びしろです。年齢も若いですし、ライバルと切磋琢磨しながら成長していってもらえればと思います。改善箇所が修正できればドラフト指名の可能性は出てくると思っています」
今村龍之介「1年のブランクを埋める体力強化で、飛ばす能力を開花させる」
今村 龍之介内野手(西日本短大附-福岡大中退)は、飛距離は今ドラフトでDeNAから6位指名を受けた井上 絢登(経歴)以上といわれるスラッガー。
「大学3年秋のリーグ戦で5本塁打を打っている事からも分かるように、持っている能力はスゴいです。ただ今シーズンはプレーをしていません。まずはしっかりトレーニングをしてブランクを埋め、年間を通じて戦えるフィジカルを作りたい。その上で筋肉量を増やしスイングスピードを上げていきます。そうすればポテンシャルが開花するのではないか、と期待しています」
中川聖也「あえて超ユーティリティ選手を目指してドラフト指名へ」
中川 聖也内野手(菰野-皇學館大)は、三重県大学選抜チームの常連で三重県を代表する選手。率を残せるアベレージヒッターだ。
「現段階では、よく言えば、ユーティリティプレイヤーですが、まだ特化したものがありません。しかし、バットコントロールは卓越したものがありますし、遠投でも110mを超す強肩を持っています。
独立リーグは一芸に秀でた選手がドラフト指名を受けやすい傾向にありますが、中川については三拍子を満遍なくレベルアップさせる事で、指名のチャンスが広がると思っています。タイプとしては今年愛媛マンダリンパイレーツからオリックスに育成5位で指名された河野聡太選手に近いのではないでしょうか」
岸本大希「走り方・フィジカルを一から見直しスピードスターへ」
岸本 大希外野手(長崎商業-桐蔭横浜大)は大学2年春から不動の一番打者としてチームを牽引。外野手の他に二塁手もこなすユーティリティプレイヤーだ。
「スピードが武器の選手です。ただ、もっとスピードに特化しないといけないと思っています。もう一度フィジカルや走り方から見直し、コンマ1秒の世界で生き抜くためのスピードを手に入れて、村川(徳島IS‐横浜DeNA)のように成長してくれればと思います」
成長へのノウハウはそろっている。あとは、各選手がどれだけ高い意識でインディゴソックスでの日々に向き合うかだ。
今後もインディゴソックスは、追加の特別合格者を出す予定だ。