試合レポート

東京・府中工科 、学園祭で対外交流試合を開催!愛知の岡崎工科と【高校野球・招待試合】

2023.11.06


学校祭の招待試合のメインゲームは府中工科が3点差を追いつき岡崎工科に引き分け

<学校祭招待試合:岡崎工科11-7都立府中工科、岡崎工科3-3都立府中工科>◇5日◇都立府中工科グラウンド
この日は、都立府中工科の学校祭で、休日ながら生徒が登校し、校門には学校祭の展示をアピールする掲示物なども掲げられていた。近年では、こうした学校での展示の1つひとつも、著作権者への確認が必要だということで、とてもややこしい時代になっているということを、こういう場でも実感させられた。都立府中工科の場合も、校門に掲げられていた、『ゴジラG-1』の看板などは、一応許可を得たということである。

府中工祭の垂れ幕

府中工祭の垂れ幕

そうした学校祭で、この日は愛知県の岡崎工科を迎えての招待試合ということになっている。岡崎工科の平松忠親監督と、都立府中工科の高橋伸吾監督は日体大の先輩と後輩という間柄でもあり、以前からの交流もあったという。岡崎工科が関東遠征を組んでいる11月のこの時期に、都立府中工科とも試合を組んでいくということになっている。
岡崎工科は前日、横浜(神奈川)と2試合組んで、敗れはしたものの強豪相手に3対5、3対8というスコアだったという。そして、この日は、午後1時開始を予定している2試合目で、両チームのこの段階でのメインメンバーで戦いをしようということで組まれていた。その試合は、結果としては3対3の引き分けということになった。そうした結果ではあったけれども、お互いに今の段階でのチームとしての課題を再確認して、来春以降へ向けての努力目標や、やって行くべきことを再確認することができたという内容でもあったようだ。そういう意味では、意義ある試合だった。

岡崎工科は原田 颯太投手(2年)、都立府中工科は秋季大会でエースナンバーを背負った久保田 翔真投手(2年)が先発。初回の都立府中工科を3者凡退で抑えた岡崎工科はその裏、1死から山本 琉空外野手(2年)、村山 翔瑛外野手(2年)が連打し、四球で満塁。2死となった後、6番・辻 龍斗(2年)が一掃の二塁打を放って、いい形で先制した。しかし、その後は、都立府中工科の久保田投手はすっかり立ち直り、2回以降は結局2安打のみに抑えた。この切り替えのよさと、好投は大いに自信にしていいであろう。
そして、久保田投手が踏ん張っている中で都立府中工科は、6回に2人目として登板した水野 汰一投手(2年)を捉えて、9番に入っている久保田投手自らの安打から好機を作り、2番・姫路の右前打で1点を返す。さらに7回にも、1死一、三塁で、牽制球で一塁走者を挟んでおきながら、三塁走者の生還を許してしまった。この守りは、岡崎工科としては痛いところだった。
1点差となった8回、都立府中工科は四球の走者を暴投とバントで進め、3番・石田 結叶捕手(2年)の左犠飛でかえして同点とした。結局この試合は3対3で引き分けた。時間があれば、タイブレークも試してみたいというところだったようだが、岡崎工科の帰り時間も考慮して打ち切りとなった。

平松監督は、「初回の点の取り方は非常によかったのだけれども、6回、7回の点の取られ方がよくなかった。いい形といかん形と両方が見えたというところです」と、来年へ向けての課題などを確認していた。また、そのための遠征でもあったようだ。
高橋監督は、「初回3点取られた時にはどうなることかと思ったのですけれども、2回以降に久保田があれだけ投げてくれれば、それはそれで計算できます。ただ、続く投手がまだまだ成長していないので、それを作っていくのが冬の課題です。1試合目に投げた、右サイドの石井は、面白い存在となっていってほしいと思っているんですけれどもね」と、期待を込めていた。
1試合目では岡崎工科が遠征メンバー全員を出場させるということで、4回からメンバーはガラリと入れ替えた。そんな中で中尾 駿太内野手(2年)は最初の打席で二塁打を放って機会を生かした。また、氏平 遥貴内野手(2年)、田中も2安打するなどチャンスを生かした。
学校祭の招待試合でもあり、ネット裏にもいつも以上のギャラリーも集まっていたようだ。そんな中で、見ごたえのある試合を見せられていたのも、両校にとっての収穫といってもいいであろう。
取材・文=手束 仁

この記事の執筆者: 手束 仁

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