【仙台六大学】2回戦 東北大 vs 東北工業大
3回にチームを勢いづける2点適時二塁打を放った東北工業大・中野昂希
東北工業大、快勝で8季ぶりAクラス入り!4年生・中野昂希が“オリックス杉澤打法”で価値ある適時打&4割維持
<仙台六大学野球秋季リーグ:東北工業大7-0東北大(8回コールド)>◇1日◇第6節2回戦◇東北福祉大
Aクラス(3位以内)入りを狙う東北工業大、東北大の両校にとって、落とせない一戦。投打がかみ合った東北工業大が8回コールド勝ちを収め、このカードの対戦成績を1勝1敗とした。同じくAクラス圏内にいた東北学院大が連敗したことで、東北工業大の2019年春以来、8季ぶり(新型コロナの影響で中止となった2020年春を除く)となる3位が確定した。
頼れる4年生がチームを勢いづけた。3回、内野ゴロの間の得点で1点を先制し、なおも1死一、三塁の好機で、打席には4番・中野 昂希内野手(4年=仙台商)。粘って7球目、変化球を捉えた打球は右中間を破り、走者2人をかえす適時二塁打となった。先発のルーキー・對馬 温斗投手(1年=仙台城南)を助ける大きな2点だった。
昨夏頃から、当時東北福祉大で主軸を担っていた杉澤 龍外野手(東北高出身=現・オリックス)のタイミングの取り方を参考にし、打席でバットを高く掲げる構えを真似た。その結果、コンタクト力が向上し、打撃に自信を持てるようになってきた。
しかし、今夏の練習試合では結果を残せず。大学ラストシーズンに向け不安を感じる中、後輩の檜森 雄太内野手(3年=仙台育英)から「打撃の調子はあんまり気にしない方がいいと思います」との言葉を聞いたことで、気持ちが吹っ切れた。今秋は開幕から好調を維持しており、ここまでの10試合で打率.405(37打数15安打)と打ちまくっている。
主将の菅原 仁平内野手(4年=仙台商)、左腕の日野 颯太投手(4年=仙台商)は高校時代からの同期。中野は「長年一緒に野球をやってきた仲間。一緒に試合に出られるのはうれしい」と口にする。東北工業大の4年生にとっては、2日の第3戦が大学野球生活最後の試合。あと1試合、仲間とともに戦える喜びをかみしめながら、全力でプレーする。
對馬はプレッシャーのかかる登板ながら落ち着いた投球を披露し、7回無失点と好投した。1、5回には満塁のピンチを背負うも、変化球を駆使して本塁は踏ませず。東北福祉大戦、仙台大戦では強力打線相手に粘投した一方、いずれも6回に複数失点を喫した。この日は意識していたという整備後の6回を無失点に抑えると、7回まで0を連ねた。本人は「(出来は)70点くらい。立ち上がりとスタミナ面が課題」とまだまだ満足していない様子。伸び代たっぷりの右腕は、1年目から着実に進化を遂げている。
東北大は目標のAクラス入りを逃したが、今秋初の勝ち点獲得を目指し第3戦に臨む。最終節で有終の美を飾るためにも、ここで白星を手にして弾みをつけたい。
(取材=川浪康太郎)