近江vs甲西
近江が逆転勝ちで2年連続の決勝進出
2回裏に同点の適時三塁打を放ち、笑顔を見せる横田悟(近江)
<春季高校野球滋賀県大会:近江5-1甲西>◇6日◇準決勝◇マイネットスタジアム皇子山
近江が甲西に逆転勝ちを収めて、2年連続の決勝進出を果たした。
1回、甲西は1番・前出 千弥(3年)が初球を捉えてレフトへ二塁打を放つと、四球と安打でいきなり無死満塁のチャンスを作る。ここで4番・大野 圭輔外野手(3年)の二塁ゴロの間に三塁走者が生還。甲西が先制点を奪った。
対する近江は2回、1死一塁から主将の7番・横田 悟内野手(3年)が「彼らしい当たり」(多賀章仁監督)と外に逃げていくスライダーを右中間に弾き返し、適時三塁打で同点とする。「なんとか自分が同点に追いつけるタイムリーを打てたのが、チームの士気を上げることができたと思います」(横田)と勢いに乗った近江は続く8番・塚脇 柊太捕手(3年)がスクイズを決めて勝ち越しに成功した。
さらに5回には1死一、三塁から2番・小竹 雅斗外野手(3年)の右前適時打で1点を加えると、なおも1死二、三塁から3番・大石 尚汰内野手(2年)の右犠飛で1点を追加。さらに相手のバッテリーミスで1点を加え、5対1と試合を優位に進めた。
近江は後半に追加点を奪えなかったが、4投手の継投で甲西の反撃を封じて1失点。山田陽翔投手(現西武)という絶対的エースがいた昨年とは違い、準々決勝の石山戦で好投した西山 恒誠投手(2年)を含めた複数投手で勝利を収めるのが今年の近江の必勝パターンだ。
昨秋は3回戦で彦根東に敗れた。それでも一冬越えて戦力を整え、決勝まで進出することができた。13日の決勝に勝利して優勝すれば、27日から大阪府で行われる近畿大会に出場することができる。「公式戦の経験値は練習試合の何試合分にもなる」と多賀監督は近畿大会の出場権獲得に意欲を燃やした。
敗れた甲西も準々決勝でセンバツ出場校の彦根総合を破るなど、14年ぶりの4強入りと健闘。この試合でも初回に先制点を奪うなど、近江を相手に堂々と渡り合った。今春から指揮を執る中山達也監督は、「選手たちは力いっぱいやってくれたと思います」と胸を張る。1985年夏に甲子園初出場ながら4強入りを果たして、「ミラクル甲西」と呼ばれた時代を彷彿とさせる戦いを見せた今大会。夏も注目の一校となりそうだ。
(取材=馬場 遼)