獨協埼玉vs越谷南
4回の雷中断、延長11回まで及んだ乱戦は獨協埼玉が振り切り県大会へ!
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<春季高校野球埼玉県大会地区予選:獨協埼玉8-5越谷南(延長11回タイブレーク)>◇16日◇東部地区代表決定戦◇春日部牛島
この日の最高気温は25度、泥濘んだグラウンドも乾き始めた春日部牛島球場・第2試合は獨協埼玉vs越谷南との一戦。今度は雷が試合進行の邪魔をする。
先発は獨協埼玉が2年生左腕・渡邉 勇人投手、一方の越谷南も2年生右腕・杉浦 涼介投手が登板し試合が始まる。
試合はシーソーゲームとなり最後まで絡れる展開となる。
先制したのは、越谷南であった。
越谷南は初回、獨協埼玉・渡邉の立ち上がりを攻め、2死から3番・山根 快斗(2年)が三ゴロ失策で出塁すると、続く岸 信之介(3年)も右前安打を放ち2死一、二塁とする。ここで5番・石原 悠聖(3年)が左中間へ適時二塁打を放つ。二者生還かと思われたが、一走・岸の本塁生還より打者走者・石原の三塁憤死の方が一瞬早く1点でこの回の攻撃を終える。このプレーがこの試合のフックとなる。
1点先制を許した獨協埼玉もすぐさま反撃を開始する。
獨協埼玉は2回、1死から7番・鷹野 朔杜(2年)が中前安打を放つと、続く渡邉がきっちりと送り2死二塁とする。ここで9番・小沢 周平(3年)が左前安打を放つと、さらに中継ミスの間に二走・鷹野が生還し同点とする。さらに初回の走塁を何とか取り返そうとした越谷南の三塁手・岸は、続く本 拓真(3年)のファウルフライに対しフェンスにぶつかりながらキャッチしようと試み、フェンスに顔面が激しく激突。歯を折り頭も打ったことで救急車で運ばれることになった。
追いつかれた越谷南も3回、この回先頭の竹塚 凌也(3年)が左越えの二塁打を放ち出塁すると、続く嘉戸 智也(3年)がきっちりと送り1死三塁とする。ここで暴投により1点の勝ち越しに成功する。その後、山根に中前安打を浴びたところで獨協埼玉ベンチは早くも先発・渡邉から右サイド・畑 壮一郎(3年)へスイッチする。
獨協埼玉は4回、1死から6番・齊藤 光希(2年)が四球を選び出塁すると、続く鷹野が左前安打を放ち1死一、二塁とする。8番・畑がきっちりと送り2死二、三塁とすると、ここから続く小沢、1番・本が連続四球を選び押し出しで同点とする。
その後、両校共にチャンスこそ得るが、後続が倒れ得点を奪えない。特に獨協埼玉は4〜7回と4度の満塁機で1点しか奪えなかった(特に6回は無死満塁)。
試合が動いたのは8回、獨協埼玉は越谷南の2番手・右サイドの関根 季哉(2年)に対し、2死から4番・鈴木 翔大(3年)が死球で出塁すると、すぐさま二盗を決める。続く岡村 雄大(2年)も四球を選び2死一、二塁とする。ここで6番・齊藤が左前適時打を放ち1点を勝ち越す。
だが、越谷南もその裏、2死から杉浦が遊ゴロエラーで二塁へ進むと、続く田嶋 春真(2年)が中前適時打を放ち3対3の同点とする。
追いつかれた獨協埼玉は最終回、この回先頭の畑が四球を選び出塁すると、続く小沢のカウントが2ボールとなったところで越谷南は3番手・松井 廉(3年)へスイッチする。
小沢は結局きっちりと送り1死二塁とする。さらに、1番・本が左前安打を放ち1死一、三塁とチャンスを広げると、続く石川 稀尋(2年)が犠飛を放ち1点の勝ち越しに成功する。
だが、粘る越谷南はその裏、1死から竹塚が中前安打を放ち出塁すると、続く嘉戸も右前安打を放ち1死一、二塁とする。
ここで雷のため2度目の中断。再開後、3番・山根も四球を選び1死満塁とすると、続く代打・髙橋 啓太(3年)がきっちりと犠飛を放ち同点とし試合はタイブレーク方式の延長戦へと進む。
まずは10回表、獨協埼玉は無死一、二塁から4番・鈴木がきっちりと送り1死二、三塁とすると、続く岡村が犠飛を放ち1点を勝ち越す。
一方の越谷南もその裏、無死一、二塁からこの回先頭の高島 樹希(2年)が見事にプッシュバントを決め無死満塁と絶好の逆転サヨナラ機を迎える。だが、田嶋、國分 飛翠(3年)が倒れる。それでも2死後、松井が押し出し死球で出塁し同点。試合は11回へと進む。
迎えた11回表、獨協埼玉は無死一、二塁で鷹野は送りバントを2度失敗するも追い込まれてから獨協埼玉ベンチは強攻に切り替えると鷹野は期待に応え左前安打を放ち無死満塁とする。続く畑がスクイズを決めまず1点、さらに2死後、1番・本が右越えの2点適時三塁打を放ち3点差をつけ勝負あった。
越谷南はその裏の無死一、二塁で無得点に終わる。
結局、獨協埼玉が越谷南を延長11回タイブレークの末、8対5で勝利。県大会出場を決めた。
まずは獨協埼玉だが、とにかくこの日2番手・畑が良く投げた。
「畑君は昨秋思うような投球はできていなかったが、悔しさからこの冬の走り込みで制球が安定し成長した」と木暮監督も太鼓判を押す。だが、打線は4回から7回までの再三の満塁のチャンスを逃すなど、結局19残塁とここぞの一本が出なかったことが試合をここまでもつれさせる原因となった。県大会でチャンスは少なくなる可能性が高いだけに上位進出へチャンスを確実にものにする攻撃が求められる。
一方の越谷南、4番が2回で球場を後にし、4度の満塁のピンチ、さらにこの日4度の雷による中断にも耐え忍んできたが、最後力尽きた。越谷南も14残塁。越谷南は特に10回裏無死満塁のチャンスをものにできなかったことが最後響いた。このチームは粘りがある。万全ではないということでこの日登板がなかったエース嘉戸が投げるであろう夏はどのような戦いを見せるか今から楽しみである。
(記事=南 英博)