都立紅葉川vs成城
紅葉川が４対１でリードのまま、再々継続試合は、あっさり20分で決着
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＜第104回全国高校野球選手権東東京大会：紅葉川10－1成城（7回コールド）＞◇17日◇2回戦◇江戸川区
4回裏1死一塁からの継続試合である。当初は翌日に行われるはずだったが、その試合も6回裏の途中でまたしても豪雨となって中断で継続試合へ。こうして継続試合の継続試合はその後も雨で中止になるなどして、足掛け5日をかけての試合となった。
継続の再開は6回裏、無死二、三塁の紅葉川の攻撃で打者は7番吉成で2ストライクという場面からということになった。
それまでの経緯としては、紅葉川が2回、先頭の佐藤陽斗が死球で出るとバントで送ると吉成も死球。2死となって9番松本が中前へはじき返して先制。さらに2死一、三塁という場面で1番増子が左越え二塁打してさらに2点が追加された。
3回までは佐藤陽斗に3人ずつで抑え込まれていた成城は4回、1死後安田と梅田が四死球で出て塁を埋める。2死一、三塁という形になって、田邉の一打は遊撃深いところへ飛んで内野安打。これで、三塁走者がかえり、成城は1点を返した。
そしてその裏、紅葉川は1死から吉成が四球を選んだところで14：40に試合は中断。約1時間待って、この日は続行不可能という判断となり、東西東京大会では初めての継続試合ということになった。
継続試合となって4回裏から、6回裏の途中まで進んだが、その間に紅葉川は4回に四球の走者がバント安打などで進み、捕手の悪送球でさらに1点を追加していた。4対1となったが、6回に紅葉川が先頭の佐藤陽斗の二塁打と続く平の安打で二、三塁となったところで再度中断、そのまま継続試合となってこの日に至った。
2ストライクと追い込んでいたところでの再開となったが、いきなり死球で無死満塁。花島は投ゴロ本封で1死となったが9番松本が左前打して1点を追加。さらに2死となったが、押し出し四球でこの回2点目が入る。なおも2死満塁で3番島津は左越え満塁本塁打を放って一気にこの回6点が入ってしまった。
7回表は成城が3点以上入れないとコールドゲームということになってしまう。この回から、紅葉川は当初の予定通りに二塁手の松本をマウンドに送ったが、成城は田邉、代打中嶋の安打などで無死満塁とした。一気に反撃してコールドを逃れるかと思われたが、そこから松本も3連続三振を奪って、結局7回コールドとなり、継続試合の再継続となった試合は、わずか20分足らずで幕となった。3日目にして初めてスタンド入りした成城のブラスバンドは、わずかな時間での披露ということになってしまった。
それでも、成城の田中太晟は、「ブラスハンドも入って、高校野球らしいなぁと思っていました。継続の継続なんていうこともそうはないだろうし、満塁本塁打を打たれたこともありませんでした。いろんな意味で、いい思い出になりました」と試合後はスッキリとしてサバサバとしていた。
紅葉川の高橋勇士監督も、「5日間かけてあっという間に終わってしまいましたが、次の試合は明日なんですよね。ちょっとずつやっていたので、疲れということはないとは思いますが、それが有利になるのかもじっくり待っていた江戸川が有利なのか、わかりません」と、いささか戸惑い気味でもあった。
そして、この試合に関しては、「島津の満塁本塁打はビックリしましたが、次の田内も一発があるので。もしそこで続いていたらそれで終わっていましたよね。松本を投げさせようと予定していたので、複雑でした」と心中を明かした。さらに、「この試合としては、島津の満塁本塁打もさることながら、もう遠い前の試合の様な感じですけれども(苦笑)、2回の増子の二塁打が大きかった」と振り返っていた。
(取材＝手束 仁)
