武相vs横浜清陵
勝負を分けた勝負どころの一打
サーティーフォー保土ヶ谷球場の第1試合。中盤戦の流れは横浜清陵にあった。しかし、一瞬傾いた流れを武相が掴み、見事にものにした。そんな一戦であった。
先制したのは武相。初回、一死一、二塁から4番小林遥陽(3年)の内野ゴロの間に1点を先制。2回には8番矢澤朋也(2年)からの4連打で2点を追加。その差を3点に広げる。
投げては武相・宮下 竜一(3年)が素晴らしい投球を見せ、横浜清陵は走者を出すことができない。序盤戦だけを見れば、武相ペースで進むと思われた。
しかし、中盤戦は一気に横浜清陵の流れに。4回裏、一死から2番田中滉樹(3年)が死球で出塁。この試合初めての走者を出すと、3番徳龍希(3年)がセンター前ヒットで一死一、二塁。4番大矢祐二(3年)の打球はライトの頭上を越える二塁打。二塁走者が生還し、1点を返す。
その裏、武相の2番カレオン(2年)の大きな打球をライト遠藤武徳(3年)がジャンプ一番で好捕。スタンドは大歓声。続く打者も簡単に打ち取り、この回三者凡退。守備のテンポも一気に良くなる。
5回裏は、先頭の山本雄太(3年)がレフト前ヒットも、続く打者が連続三振で二死。流れが潰えたかに思えたが、1番若杉遼がセカンドへの内野安打、2番田中滉が四球で二死満塁。3番徳はセカンドゴロに倒れるも、流れは横浜清陵に。
6回表には、無死一、二塁のピンチを迎えるも、7番宮下のバントは捕手前への小フライに。これを横浜清陵の捕手・徳が落ち着いて捕球し、二塁へ送球。併殺打となり二死となる。
しかし、武相は8番矢澤がレフト前ヒットで繋ぎ、なおも二死一、二塁。9番和田英峻(3年)の打球は痛烈な打球。これを横浜清陵・サード若杉が横っ飛びで好捕する大ファインプレー。スタンドは大歓声。武相に流れを渡さない。
今度こそ、この流れを得点に結びつけたい横浜清陵はその裏、ヒットとエラー、更に死球が重なり、一死満塁のチャンスを作る。しかし、ここは武相・宮下が踏ん張る。二者連続三振で無得点。チャンスを作るも、あと1本が出ない。
チャンスはずっと待っていてくれない。ワンチャンスをものにしたのは横浜清陵ではなく、武相だった。6回の大ピンチを凌いだ武相、2番カレオン、3番山本雅樹(3年)、4番小林に3連続タイムリーが飛び出す。横浜清陵に大きく傾いていた流れを一気に引き戻し、その差を5点に広げる。
武相の勢いは止まらず、8回表には二死から9番和田の放った打球が風にも乗り、レフトスタンドへ。貴重な7点目を奪う。
8回裏、横浜清陵は内野ゴロの間に1点を返し、続く代打・藤間海人(3年)のタイムリーで2点を返すも、武相に傾いた流れは戻ってこなかった。
最終的に9回にも1点を加えた武相が8対3で横浜清陵を下し、4回戦へと駒を進めた。
敗れた横浜清陵、勝った武相との差は紙一重だった。随所に好守備が飛び出し、試合を通じてエラーは0。中盤は幾度と無くチャンスを作った。しかし、その引き寄せた流れを、掴み切ることが出来なかった。
対する武相、中盤は横浜清陵に押されるも、エース宮下を中心にとにかく辛抱した。その末に掴んだワンチャンスを活かした7回の攻撃だった。最終的には5点差をつけたが、楽な試合ではなかった。
少ないチャンスを確実に得点に繋げた武相。中盤の連続したチャンスを惜しくも活かせなかった横浜清陵。野球はつくづく難しい。そう感じる一戦だった。
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(記事=編集部)
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