エース大城陽が見事な火消し、沖縄尚学が5年ぶり8度目の優勝
<第48回沖縄県高校野球1年生中央大会:沖縄尚学8-5那覇商>◇19日◇決勝◇タピックスタジアム名護
沖縄尚学が1回戦からの4試合連続2ケタ安打(通算チーム打率.406)をマーク。エース大城 陽は長打が自慢の那覇商打線に対して1点を失ったものの、見事な火消し役を演じて、チームを8度目の頂点へと導いた。
沖縄尚学は初回、安打と2つの四球で2死満塁とする。ここで6番・宮城 泰成が初球を逆らわず左翼へ流し2点を先制した。対する那覇商は3回、9番・玉代勢 依吹が左前安打で出塁。犠打と内野ゴロの間で三塁へ進むと、相手のエラーで得点した。しかし沖縄尚学は直後の4回、四球と安打で一、二塁とする。2死となったが1番・比嘉 大登、2番・眞喜志 拓斗の連打で3点を加えた。
27年ぶりに決勝進出を決めた那覇商ナインも簡単には引き下がらない。その裏、四球と安打で一、三塁とし暴投で三走が生還。なおも7番・仲松 奏竜の二塁打と四球で満塁と攻め立てると、玉代勢の犠牲フライで加点。さらに頼りになる1番・池原 常誠の二塁打であっという間に1点差へと詰め寄った。
前日、準決勝のエナジック戦で完投していたエース大城 陽。「できたら7回からの3イニングにしたかった」とは、この大会の指揮を執った伊志嶺大吾監督。他選手の経験を積ませたかった思いもあっての控え起用だったが、那覇商の粘りの前に早めのエース投入となった。場面は2死満塁、さらに打席には相手の4番という状況だったが、見事に一飛に斬った。
6回こそ、自らの暴投で失点したが7回、8回と打者6人から4奪三振をマークするなど、頭一つ抜けているところを見せつける。9回も四球のみに抑え、最後は三ゴロに斬りゲームセット。前日は完投、この日は火消し役と大車輪の活躍を見せたエースに負けじと、決勝戦でも2ケタ安打をマークした打線も8得点を奪う文句なしの優勝だった。
投打で他のライバル校を圧倒した沖縄尚学が、5年ぶり8度目の大会優勝を飾った。
取材・文=當山 雅通