【愛知】桜丘 vs 三好
桜丘が粘る三好を振り切って、決勝進出を果たす
<第149回中日旗争奪全三河高校野球大会:桜丘4-2三好>◇28日◇準決勝◇豊橋市民
東三河地区では3強とも言われている私学勢の中で、この秋は豊川が県大会準優勝、豊橋中央も3位校となって東海大会進出を果たした。そういう中では、やや後塵を拝してしまったという形になった桜丘。それだけに、この大会ではスッキリと決勝進出を果たして存在をアピールしたいところでもある。
西三河地区の三好は、かつて母校刈谷を率いて夏の愛知大会準優勝まで導いた実績のある岡田泰次監督が率いる。就任3年目で、チーム力も充実してきているので、そろそろ、ある程度の実績を示す全三河のタイトルも欲しいところというのが本音でもあろうか。
桜丘は初回、先頭の遠藤 暉貴外野手(2年)が左前打で出ると、すかさず盗塁。内野ゴロで三塁まで進むと、4番・弓口 桂外野手(2年)の右前打でかえして先制。あっさりと1点が入ったが、その後は投手戦の様相で1対0のまま5回まで進んでいった。試合展開からも、次の1点が大きくモノを言うかなと思われたところだったが、6回に桜丘は先頭の3番・奥田 翔星投手(2年)が右越えへソロホーマーを放ってリードを広げた。
さらに7回にも、桜丘は2死走者なしから四球と遠藤の二塁打などで2点を追加していった。これで、桜丘としては、安心して試合を進めていかれるのかなとも思ったが、三好も9回に反撃。3番・麻田 瑛太内野手(1年)の二塁打に相手失策などもあって、2点を返して、なおも2死二、三塁で一打同点という場面までにもなった。ただ、ここから奥田投手が踏ん張ったのと、最後には三好にも走塁ミスなどがあって、結果としては、桜丘が逃げ切ったということになった。桜丘としては、必ずしもベストの戦いではなかったかもしれないけれども、こうして公式戦で勝ちを得ていくということではよかったということにはなるのではないだろうか。
桜丘の杉澤哲監督は、「今年の秋は、前のチームからほとんどメンバーが入れ替わったということもあって、夏から、なかなかチーム作りが上手くいかず、出遅れたというところはありました。投手の奥田にしても、夏までの前のチームでは遊撃手でしたからね。チーム構成としても、結果的には内野は1年生ばかりということになってしまいました。そうした中で、この大会で背番号をつけた公式戦を何試合かできるということで、チーム力を上げていかれればいいかなと思っています」全三河大会で決勝進出を果たしたことで、チームのステップをしていこうという思いでもあったということを語っていた。
結果としては、リードを返しきれなかった三好の岡田監督は、戦い方としては悔いはあった様子だった。「チームとしては、まだまだですね。投手陣はそんなに悪くはないと思っているのですが、攻撃面で言うと対応力のなさというか、そんなところが出でしまいました」と、結果的には攻めきれなかったことを悔いていた。
取材・文=手束 仁