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史上空前の大豊作!独立リーグの2023ドラフト候補一挙紹介

2023.10.26


今年も運命の一日がやってきた。2023年10月26日(木)16時50分より都内ホテルで開催される「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」。夢のNPB入りを目指す逸材たちが固唾をのんで画面を見つめる時が刻一刻と迫っている。今年は「神7」とも呼ばれる東都大学野球リーグ投手陣を中心に、大学生に好素材がそろうと言われているが、実は、独立リーガーたちも史上空前の大豊作なのである。
いまや首位打者タイトル2度の千葉ロッテマリーンズ・角中 勝也(日本航空第二~高知ファイティングドッグス)、FA権を出身者ではじめて行使した福岡ソフトバンクホークス・又吉 克樹(西原~環太平洋大~香川オリーブガイナーズ)、昨年の最優秀中継ぎ投手かつ今年のWBC優勝メンバーの阪神タイガース・湯浅 京己 (聖光学院~富山GRNサンダーバーズ)をはじめ、全12球団に出身選手が所属する「独立リーグ」。NPBと比較して決して恵まれた環境でない中でも2005年・四国アイランドリーグ(現:四国アイランドリーグplus)から2名のドラフト指名を輩出して以来、四国アイランドリーグplusから4名、ルートインBCリーグから4名、日本海オセアンリーグ(現在は消滅)から2名の計10名(うち本指名1名)が扉を開いた昨年に至るまで18年間指名の火を絶やさなかったことも特筆に値するだろう。
そんな独立リーグ界の2023年は史上空前ともいえる大豊作。その筆頭格はドラフト界の超優等生・徳島インディゴソックスの椎葉 剛島原中央~ミキハウス)、日本海リーグの富山GRNサンダーバーズ・大谷 輝龍小松大谷~JFE東日本~伏木海陸運送)の「高卒4年目・最速159キロコンビ」だ。

最速159キロコンビに2年連続10本塁打超のスラッガー
椎葉は社会人1年目から「(捕手だった)高校時代からやりたいと思っていた」投手転向時から148キロを叩き出した身体能力に加え「これまで前に突っ込んでいたところを軸を作ってから全部のエネルギーを出す形に変えた」今季のフォーム改造がスムーズにマッチ。自らも理想に掲げる藤川 球児(元阪神タイガース)型のストレートに近づいている。
また、大谷は「重心の移動と出力の出し方を外回りから内から外に出す形に変えた」ことで常時150キロ中盤の球速を手に入れることに。「ランナーが出るとギアと集中力が上がる」リリーバー向きのメンタルも特長である。
この2人に続くのが徳島インディゴソックスの超攻撃的リードオフマン、同じ右投左打の度会 隆輝(横浜~ENEOS)と同じく外野手と三塁手を務める井上 洵登久留米商~福岡大)である。徳島2年目の今季は昨年13本塁打をマークした長打力だけでなく「意識して取り組んできた」コンタクト率が大きく向上。14本塁打と2年連続リーグ本塁打王に輝くと同時に、打率も.246から.312(リーグ2位)と格段のレベルアップを果たした。
愛媛県松山市の坊っちゃんスタジアムで開催された「日本独立リーググランドチャンピオンシップ」では12球団すべてが詰めかけたNPBスカウト陣の話を総合しても、この3名は支配下指名が十分狙える実力を備えている。

特徴あるタレントたちが各リーグに続々
彼ら3人の他にも各リーグには楽しみなドラフト候補たちが控える。
まず4球団合わせて20名前後にNPB球団からの調査書が届いている四国アイランドリーグplusでは、高卒4年目最速154キロ右腕・白川 恵翔池田、北海道大初のNPB入りが目前に迫る最速155キロ右腕・宮澤 太成(長野~北海道大)、最速151キロのフォーシームだけでなく140キロ中盤のナチュラルツーシームなど変化球に特長のあるカナダ産日本人左腕のシンクレアジョゼフ 孝ノ助(ジョンオリバー高~コチス短大~メアリー大)らの徳島インディゴソックス勢や、最速154キロ・羽野 紀希(新南陽~日本経済大)、最速153キロ・内海 皓太(市岡高~大阪教育大~06ブルズ<関西独立リーグ>)、最速150キロ・菊田 翔友(享栄)などの好右腕たちや、ドラッグバントを得意技にする高卒1年目俊足内野手・宇都宮 葵星(松山工)らを有する愛媛マンダリンパイレーツ勢が注目株。
また、ルートインBCリーグでは俊足巧打の高卒2年目ショートストップ・金子 功児(埼玉武蔵ヒートベアーズ・光明相模原)、最速130キロをゆうにオーバーする本格派アンダーハンド・下川 隼佑(新潟アルビレックスBC・湘南工科大付~神奈川工科大)、190センチの長身から投げ下ろす最速150キロ右腕・増子 航海(神奈川フューチャードリームス・東海大高輪台~創価大)などが候補生に名を連ねる。日本海リーグからは富山GRNサンダーバーズの(松原)快(高朋~ロキテクノ富山)。150キロ超のサイドに近い右スリークォーターは、同じ独立リーグ出身の又吉を想起させる。

そしてあるNPB球団スカウトは日本独立リーググランドチャンピオンシップの視察を終えた去り際、筆者に向かってこうつぶやいた。
「楽しみにしてください」
これはいったい何をさすのか?ここまであげてきた選手以外での指名含め、今回のドラフトは育成ドラフト指名終了まで目が離せない。

文/寺下 友徳

この記事の執筆者: 鎌田 光津希

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