CSファイナル進出を支えた千葉ロッテ「2018年組」、順調な成長曲線
毎年行われるドラフト会議で指名した全員が、1軍で華々しい活躍をすることはない。複数人の主力が出てくることもそう多くはない。レギュラーや先発ローテーション投手、勝ちパターンといった主力が、同一のドラフト会議から生まれたら、それは”大当たりドラフト”と言っても過言ではない。
近年、各球団に大当たりドラフトはあったのだろうか。高校生と大学生社会人の分離ドラフトが終わった2008年以降のドラフトで振り返ってみたい。
今季、リーグ最終戦で勝利を収めて2位に滑り込み、クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージでもソフトバンクとの3戦目にサヨナラ勝ちし、ファイナルステージに進んだロッテは、2018年のドラフト組から主戦力が多く誕生している。
運命のリーグ最終戦とCS3戦目の先発を任された小島 和哉投手(浦和学院出身)も、そのひとりだ。ドラフト3位で指名を受けた小島は、ルーキーイヤーこそ3勝にとどまるも、2年目に先発ローテーション入りを果たし7勝を挙げた
3年目には規定投球回に到達し、自身初となる2ケタ勝利(10勝)を達成。昨シーズンは3勝11敗と大きく負け越したが、今シーズンは3年連続の規定投球回到達に加えて、自身2度目の10勝をマークした。5年でチームに欠かせない柱となっている。
ドラフト4位の山口 航輝外野手(明桜出身)も中心選手となった。3年目に1軍デビューを果たすと、78試合で9本塁打。昨シーズンも16本塁打をマークした。今シーズンは故障により一時登録を抹消された期間もあったが、初めて規定打席に到達し14本塁打を放った。和製大砲の道を着々と歩んでいる。
ドラフト1位の藤原 恭大外野手(大阪桐蔭出身)は、1年目から1軍での出番を勝ち取るも、ここまでは大きな結果を残すことができなかった。しかし今シーズンはキャリアハイとなる103試合に出場し361打席に立った。外野のレギュラーを争う立場に、しっかりと育っている。
ドラフト2位の東妻 勇輔投手(智辯和歌山出身)は、中継ぎとしてその地位を固めつつある。1年目から1軍で24試合に登板し、波がありながらも今シーズンは36試合に登板。防御率2.91と安定し、ホールドは11を数えキャリアハイをマークした。確固たる勝ちパターン入りが来シーズン以降の目標となる。
ドラフト5位の中村 稔弥投手(清峰出身)は先発、中継ぎの両役割で起用されてきたが、今シーズンは中継ぎに専念。複数イニングを投げることもできる左腕として17試合の登板で防御率2.31と結果を出した。
ドラフトから5年で、先発ローテーション左腕と高卒の大砲候補が育ち、ドラフト1位の藤原も発展途上中。これから先も楽しみなドラフトの結果となっている。
<2018年ドラフトにおけるロッテの指名選手一覧>
1位:藤原 恭大(大阪桐蔭)
2位:東妻 勇輔(智辯和歌山ー日本体育大)
3位:小島 和哉(浦和学院ー早稲田大)
4位:山口 航輝(明桜)
5位:中村 稔弥(清峰ー亜細亜大)
6位:古谷 拓郎(習志野)
7位:松田 進(國學院久我山ー中央大ーHonda)
8位:土居 豪人(松山聖陵)
記事=勝田 聡