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甲子園優勝の慶應義塾も危うい!?この秋の神奈川は横浜、東海大相模を中心に激戦区

2023.08.26


今年の夏の甲子園は慶應義塾(神奈川)の107年ぶりの優勝で幕が閉じた。

この秋の神奈川は慶應義塾を中心に、来年の夏まで戦国状態が予想される。激戦区をリードする上位校を紹介する。

慶應義塾は、投手では145キロ右腕・小宅 雅己投手(2年)、140キロを超える大型左腕・鈴木 佳門投手(2年)の2人が残り、野手では4番打者・加藤 右悟外野手(2年)が牽引することになりそう。小宅、鈴木が甲子園での投球を維持できれば、新チームで攻略するのは難しそう。

野手は多くが入れ替えとなるため、強豪校の好投手が相手となれば、あまり得点は望めないかもしれないが、潜在能力が高いチームは勝ち進むにつれて持ち味を発揮するもの。小宅、鈴木が万全なら盤石な勝ち上がりを見せそうだ。他のライバル校は7月末からチームを強化しているため、夏秋連覇は厳しいものになるかもしれないが、1年かけていけば、来夏には再び全国制覇を狙えるチームになる可能性はある。

横浜は本格派右腕・青木 朔真投手(2年)がエースとしてチームを牽引する。速球派右腕・紺野 凌生投手(2年)など、中学時代から評判だった投手たちがどこまで本格化するか注目される。野手では旧チームからレギュラーの椎木 卿五捕手(2年)をはじめ、抜群の守備力を見せる二塁手・峯 大翔内野手(2年)や、阿部 葉太外野手(1年)のほか、夏や春にベンチ入りしていた野手も多い。攻撃、守備で完成度の高い野球を見せる横浜は、やはり優勝候補に挙がる。

この2チームを凌ぐ大型チームといえば、東海大相模だろう。投打ともに人材が揃っている。

148キロ右腕の福田 拓翔投手(1年)は、2年後のドラフト上位候補は間違いない。大型左腕の藤田 琉生投手(2年)は190センチを超える長身から角度のある直球を武器とする。高橋 侑雅投手(2年)は完成度の高さは東海大相模投手陣ではNo.1で、その他も145キロ右腕・塚本 空輝投手(2年)など、神奈川どころか全国でもトップクラスの投手陣のレベルの高さを誇る。この4人以外にも潜在能力の高い投手が多く、激しい競争となっている。

打線もハイレベル。安定したスローイング、高い打撃技術、リーダーシップが取れる木村 海達捕手(2年)だけでなく、期待の大型スラッガー・金本 貫汰外野手(1年)や、パンチ力のある中村 龍之介外野手(1年)にも注目だ。

桐光学園には大型遊撃手の森 駿太内野手(2年)、強打の中村 優太捕手(2年)、135キロ前後の速球を投げる法橋 瑛良投手(2年)に加え、1年生ながらクリーンアップを打った白鷹 悠人内野手(1年)など、潜在能力の高い選手も多い。

春準優勝の相洋は主力3投手が残る。大谷 祇人投手(2年)は、しなやかなフォームから140キロ前後の速球を投げ込む本格派右腕。中島 翔人投手(2年)は角度ある直球、変化球で勝負する左腕。大場 智仁投手(2年)は、がっしりとした投球フォームから130キロ後半の速球と初見では打ちづらいチェンジアップが魅力だ。

毎年、潜在能力の高い選手を揃える武相や、主力選手が多く入れ替わっても、しっかりとしたチームづくりを行う横浜隼人、そして私学から警戒されている鶴嶺の上川 洋瑛投手(2年)も最速141キロを誇る。

慶應義塾の優勝は神奈川の各校を刺激したことだろう。この秋の神奈川はメイン球場となる保土ケ谷で全国トップレベルの熱気で激戦が行われることは間違いない。

この記事の執筆者: 田中 裕毅

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