阪神のドラ1がフレッシュ球宴でMVP、勝負強さと華やかさで1軍生き残りをかける
森下翔太
7月18日、富山アルペンスタジアムで行われたフレッシュオールスターゲームは、ウエスタン・リーグが大卒2年目となる、オリックス・野口 智哉内野手(鳴門渦潮出身)のホームランなどで7対3と快勝した。
その試合でMVPに選ばれたのは阪神のドラフト1位ルーキーの森下 翔太外野手(東海大相模出身)だった。森下は「4番・右翼」で先発出場し、先制の適時二塁打を放つなど4打数3安打3打点の大活躍。ホームランを放ち同じく猛打賞だった野口を差し置いての受賞となった。
勝利チームにホームランを放った選手がいながら、それ以外の選手がMVPを受賞する例は多くない。直近だと2006年のヤクルト・飯原 誉士となっており、実に17年ぶりのことだった。
セ・リーグ対パ・リーグの形式で行われた2006年は、セが大卒2年目の中村 一生(中日)にホームランが飛び出した。しかし「1番・右翼」でリードオフマンを務めたルーキーの飯原が5打数4安打、3得点、1盗塁と見事な活躍。MVPは飯原の手に渡った。
その2年前となる2004年にも似た例があった。この年はイースタン・リーグが10対0で大勝。矢野 謙次(巨人)、吉村 裕基(湘南/現DeNA)、黒瀬春樹(西武)と3人にホームランが飛び出した。
しかし「2番・中堅」で出場したルーキーの青木 宣親外野手(日向高出身)が5打数4安打3打点の活躍を見せMVPに輝いた。矢野は大卒2年目、吉村は高卒2年目、黒瀬は高卒ルーキーだったが4打数1安打でヒットはホームランのみだった。
ホームランを放ったことよりもルーキーでの活躍が、MVPの選出に大きく関わっているのかもしれない。
森下はすでに1軍でもプレーしており、前半戦では36試合の出場で打率.183(109打数20安打)、2本塁打、12打点の成績だった。数字を見るとレギュラーとしては物足りないかもしれない。しかし5月20日にはサヨナラ打、7月12日にはサヨナラ犠飛を放つなど勝負強さを発揮している。
フレッシュオールスターゲームのMVP受賞をさらなる飛躍のきっかけとし、後半戦は確固たるレギュラーをつかむことに期待がかかる。