品川翔英vs攻玉社
練習環境は狭い屋上と中庭のみ、創部2年目の品川翔英が公式戦初勝利をつかむ
<第105回全国高校野球選手権東東京大会:品川翔英3-2攻玉社>◇14日◇2回戦◇大田スタジアム
創部2年目の品川翔英と攻玉社の一戦。品川翔英ナインが歴史的1勝を挙げた。
最初は同好会からスタートした同校は、草野球チーム、中学生チームと対戦したが、10点以上の差をつけられ、大敗続きだったという。
だが、そこから同好会の1年の活動を経て、野球部が創立され、東京都高野連に加盟した。まだ1勝もできず、2年目を迎えたが、同好会からのメンバーは3年生となり、チームの中心選手となっていた。
グラウンド環境はコンクリートの屋上、中庭のみ。屋上は縦25メートル、横4メートル、中庭は縦20メートル、横6メートル。グラウンドを使えるとすれば、他校を訪問した時の練習試合ぐらいだ。
思う存分、野球ができる環境ではない。それでも、この試合でみせた飛球やゴロの処理、各野手との連携はしっかりと鍛えられているのが分かる。チームを率いる石田寛監督は「今のような環境でも細かい連携を鍛えてきました」と語る。
この試合はしっかりと喰らいつくことがテーマだった。
対戦した攻玉社の森田 翔大投手(2年)は183センチの本格派右腕で、常時120キロ前半〜128キロをマークし、110キロ前後のスライダーや、低めに鋭く落ちるスライダーもあった。将来性を考えれば、高校3年には140キロは狙える器を持った投手だと感じられた。
創部2年目の品川翔英にとっては手強い相手であり、前半に2点をリードされるが、5回、6番・高木 英寿内野手(3年)の適時三塁打で1点を返し、バッテリーミスで同点に追いつく。
その後、9回に野選の間に1点を勝ち越して、見事に逆転勝ちを手にした。
エースの生田 蓮投手(3年)も力投した。中学時代は捕手だったが、同好会時代に、一番素質があると石田監督に見込まれ、投手に転向。120キロ前半の速球、曲がりが大きいカーブ、スライダーを投げ分け、淡々と打者を打ち取っていく。横浜市出身の生田は進学校と呼ばれる神奈川の公立校を受験したが、惜しくも落ちてしまい、そこから石田監督に誘われる形で、同好会に入り、今では立派なエースへ成長した。
初の1勝が夏の大会。品川翔英にとっては大きな歴史に残る1勝となった。
完投勝利の生田(品川翔英)
森田翔大(攻玉社)
森田翔大(攻玉社)
森田翔大(攻玉社)
森田翔大(攻玉社)
勝利に抱き合う品川翔英の選手たち