産業技術高専vs成城
成城が初回10点の猛攻で都立産技高専を圧倒、この代で公式戦初勝利を挙げる
<第105回全国高校野球選手権東東京大会:成城19ー1都立産技高専(5回コールド)>◇8日◇1回戦◇神宮
神宮球場ではこの日の第2試合ながら、東東京大会の開幕戦となったこの試合。試合開始に先立ち、立正大立正中学の中道清貴が投手、横川幸多が捕手で、始球式が行われた。
両チームとも新チームになってから公式戦で勝利がなく、勝利に対する思いは強かった。
1回、都立産技高専は、成城の先発・窪田 彪我投手(1年)から2番・斉藤 礼啓投手(2年)が二塁打を放ったものの無得点。
その裏、成城は1番・小野 琉惺内野手(3年)が打撃妨害で出塁したことから猛攻が始まった。2番・清水 律哉外野手(3年)の四球に続き、暴投で小野が生還した後、3番・安田 懸内野手(3年)の左中間を破る打球がランニング本塁打になり3点。開幕戦、しかも神宮球場という舞台で「選手が浮足立ってしまいました」と都立産技高専の広瀬義朗監督は語る。ここから安打に失策が連なり、1回裏だけで成城は10点を挙げる。
2回は無失点で抑えたものの、3回成城は、1死後ランニング本塁打を放った3番・安田懸の右前安打を皮切りに、3者連続の四球で押し出し。7番・村上 心一外野手(3年)、代打・小室 勇人内野手(2年)の連続適時打などでこの回9点を入れてダメ押しをした。
成城は投手を窪田、山本 陸太投手(3年)とつなぎ4回、5回はエースの長谷川 煌投手(2年)が締めた。ただし5回、都立産技高専は、1番・川上 和伸が内野安打で出塁し、暴投で二塁に。2番・斉藤 礼啓の中前安打に失策も絡み1点を返す。しかし、都立産技高専の反撃もここまで。19対1の5回コールドで成城が圧勝した。
ある程度力の差があったのは確か。それでも、相手の失策絡みとはいえ、都立産技高専は1点を返し、意地はみせた。高専という特性上、1、2年生は秋以降を目指し、高校野球を続けるが、3年生は今度は高専の大会を目指すことになる。どちらにしても、大会初日の神宮球場で試合ができたことは貴重な経験になる。
成城は秋も春も勝てなかったため、竹内 悠太捕手(3年)は「大会で勝ててうれしいです」と語る。それでも5回の失点に関して、「夏の大会はちょっとしたミスで流れが変わります。ああいうところは詰めていきたいです」と紅野雄一監督は語る。成城は2回戦は郁文館と対戦する。「郁文館は強豪ですが、勝ちたいです」と竹内主将は語った。
取材=大島 裕史