千葉学芸vs日大二vs佐原
千葉学芸は期待の198センチの剛腕が快投!エース左腕も日大二相手に13奪三振完封勝利!

菊地ハルン(千葉学芸)
関東地区の高校野球では各県の春季県大会が終わり、夏へ向けて練習試合を重ねていく段階に入っている。その練習試合でのテーマは、夏のメンバーを決めるための選考や、新戦力を試すなど、学校によってそれぞれ異なる。
千葉では、この春の結果、夏のシードを獲得した千葉学芸も、この5月の時期にいろんな選手を試しているという。高倉監督はこう語る。
「春の大会では3年生が中心でしたが、この5月の時期では1、2年生を起用して、良い選手を発掘する時期だと思います」
14日には佐原と日大二と練習試合を行った。佐原戦では198センチの大型右腕の菊地 ハルン投手(2年)が先発した。1年生の時からベンチ入りしている投手だ。佐倉シニア時代は控え投手だった。それでも高倉監督が惚れ込んだのは、これほどの長身でありながら、器用に変化球を投げている姿に大化けの可能性を感じ、熱心に誘った結果、千葉学芸に入学した。
1年生の時は120キロ前半〜中盤がほとんどだったが、1年間の体作りでスピードアップし、常時120キロ後半〜137キロをマーク。前日の試合でも141キロ〜2キロをマークしているようで、今では130キロ後半をマークすることは珍しくないという。
100キロ台のカーブを持っているのが最大の強みだろう。198センチの長身を生かして、オーバーハンドで投げるカーブは打者にとっては脅威であり、菊地自身も得意としている。その菊地は4回2失点だった。
オリックス・山下 舜平大投手(福岡大大濠出身)の2年春を思い出させる。当時の山下は140キロ前半ぐらいで、変化球は曲がりの大きいカーブのみの投球だった。
その山下も右肩上がりに成長し、高校トップレベルの剛腕へ成長し、今に至る。高倉監督によるとNPBスカウトからは24年のドラフト候補として注目しているという声があり、一部の野球関係者からも絶賛されている逸材だという。
5回からは、新田 継吾投手(1年)が登板。瀬谷ボーイズ時代から評判の投手で、166センチ、68キロとガッシリとした体型をしていて、とにかく強気に腕を振っていく。常時135キロ〜138キロをマークし、その速球の力強さは1年生離れしている。何より物怖じしない度胸も魅力で、スライダーのキレも良い。2回無失点の好投を見せると、後続の投手が抑え、9対2で勝利した。
この2人が次のチームに残ることを考えると、未来は明るい。

四釜臣典(千葉学芸)
日大二戦では、投打で圧倒した。
日大二の先発は130キロ中盤の速球、スライダーを丁寧に投げ分ける右腕・池尾 弘太郎投手(3年)だったが、1回、井ノロ 瑞規外野手(2年)が先制本塁打を放ち、その後、3回には4番・浅岡 右己内野手(2年)の中犠飛で1点を追加。春はベンチ外だったが、長打力があり、江戸川中央シニア時代は箱山 遥人捕手(健大高崎)、森山竜之輔内野手(健大高崎)とともにクリーンアップを打っていた。その後も着実に追加点を加える。
投げてはエース左腕の四釜 臣典投手(3年)が強打の日大二打線を被安打4、13奪三振の完封勝利。120キロ中盤だが、回転数の高い直球で次々と空振りを奪った。切れのあるスライダー、カーブなどを駆使して抑える投球は、香西 一希投手(九州国際大付ー早稲田大)を思い出させた。
全学年の選手が活躍し、2連勝。高倉監督も現在の競争に手応えを感じている様子だった。
千葉学芸では、今年の3月に学校グラウンドから徒歩数分の場所に「創勇寮」が完成した。以前は八街市にあったが、移転したことで、選手たちも「学校生活がしやすくなり、練習後の自主練習も思い通りにできるようになり、また睡眠時間も以前より確保できるようになりました」と歓迎の声も上がっている。
さらなる競争で夏にはどんなチームに仕上がるのか注目だ。
(記事=河嶋 宗一)